「罪を犯しても、大して罰とか受けなかったなぁ」

 

罪には罰がツキモノ。

なのにおれは罰せられた覚えなんてついぞ無い。

なのでポロッとそう漏らしたら、アイツが。

 

「───じゃあ、これからなんじゃない?」

 

真顔で、そう言った。

 

 

「やっぱそうなるかぁ」

「そりゃあ、あんだけ殺せばねー罰だって焦らしとくんじゃないの」

こぽこぽこぽ

紅茶の匂いがする。

「でも全員哀れな娼婦だったぜ。薬に溺れてたり、病気だったり・・・・」

「子どもも殺ったじゃない」

「みんな家の無いガキどもだ。飢え死ぬより即死の方がまだ救われるさ」

「でも、世間的には、この国の法律的には少なくとも『罪』だったわね」

はい、と紅茶の注がれたカップを差し出されて、それを受け取る。

「だな。でもそれは捕まんなきゃ済む話しだからなぁ」

「じゃあ、どういう話?」

目の前にスコーンが置かれる。

「万物のお話」

「万物?」

スコーンをひとつ取って口に頬張る。

「よーするに、カミサマとか。そっちの話」

「ああ・・・・」

納得する恋人。

しかし

「てゆーかアンタってさ」

「あん?」

「そー言うってことは、『罪』だと思ってるってこと?」

取って返された質問。

そうだ。その前におれは自分のしたことを罪だと思ってたのか?

「・・・・・わかんねぇ」

ぺろりと指を舐める。

 

罪。

言われると違和感がある。罪とひとつにはくくれないような・・・・でも罪のような。

そんな矛盾した心。

でも罪といわれて違和感を感じるのなら罪ではないのだろう。

「わかんねぇけど、違う、と思う」

「じゃあ大丈夫よ」

・・・・恋人の即答が解らない。

「罪じゃないのなら、何処までも胸張ってりゃいいのよ。間違ったことでも間違ってないって言ってしまえばそれまでよ」

それとおんなじ、だから。

「・・・・そーゆうもんか」

「そーゆうもんよ」

だいたい、と彼女は言う。

「罪があろーがなかろーが、罰せられよーがされまいが、みんな最後は死んでくでしょーが」

だから、そんなの考えるだけ無駄よ。

 

言い置いて彼女は部屋を出た。着替えてくるといって。

 

 

 

みんな最後は死んでいく。

それから一週間後、ふたりは。

 

 

 

 

 

END

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さっきのギャグの話に反動がついて一転シリアスに。ノリこそがワタシのすべて★(おい;)

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モドル5, クラムボンって美味しそう