「老人のプライドに乾杯」
「なに、オマエおれのプライドには乾杯してくんないの」
どーしてこの恋人(?)は変なところで突っかかって来るのだろう。
本を読んでいたハルヒの目の前にしゃがみこんで顔を覗き込んでくる男に、ハルヒは内心ふかーい溜め息を吐いた。
「で、オマエはおれのプライドには乾杯してくんないの」
「・・・・べつにアタシは老人のプライドにも乾杯してないってば」
本にそう書いてあったのーーーっと言ってもこの男には聞きはしない。
ならば本を音読しなければ良いではないかとも思うのだが。
如何せん、異国人の彼女はこちらの言葉を覚えがてら本を読んでいるわけで。
そんな彼女を、読書という相手に捕られて黙っていられるほどではない男はここぞとばかりに突っ込みを入れてくるのだった。
もちろん彼女は自分の音読が事の発端などとは全く思っていないのだが。
「でも今言ったじゃん。老人に乾杯って」
で?おれにはしてくんないの、乾杯。
グラスを片手に、なおも言ってくる男に今度は本当に溜め息が出た。
「・・・ハルヒ、お酒飲めないもん。苦手だもん・・・・・」
米酒ならいけるのに、西洋のお酒には何故か弱いハルヒ。
「んじゃあ乾杯じゃなくてもいいや。でも、おれのプライドになんかご褒美ちょーだい♪」
「ご褒美?」
って?首を傾げて考えるもわからない。
膝の上に顎を乗せて見上げてくる男。なんだかくすぐったいと、ハルヒは思った。
「おれのプライド乾杯するぐらいだから、やっぱここはちゅーのひとつも欲しいんですけど」
「 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 」
ハルヒが一瞬固まる。そして一気に真っ赤になった。
「えええええええええ?!!」
なんで?!とおもいっきり抗議するも、膝の上に顎だけを乗せていた男はいまでは腕をハルヒの腰に回して膝の上でおもいっきり甘えていた。
「なんでってーーーやっぱそれぐらいは欲しいでしょー♪」
「甘えるなッッ!!////だだだ、だって、だって、ハルヒ、えっとえっと・・・・・!!!」
ハルヒがここまでパニくるのも珍しい。
それにはやはり異国人であるということと関係があった。
ハルヒの故郷の国ではこちらの国々とは違って挨拶時に人とキスを交わしたりという習慣が無い。
ハルヒの国ではキスをする相手=恋人なのだと、彼は聞いたことがあった。
そりゃパニくるわけである。(とゆーかそこまでしてハルヒのキスが欲しいか)
ハルヒは奔放なようでいて、実はお堅い。
なかなかキスもさせてもらえない。
ちなみにハルヒからキスを貰ったこともいまだ無い。
「くれないのーーー?」
「・・・・・・ッ///」
ハルヒはしばし、はうーはうーと唸っていたが、むーーーっと唸ると心底恥ずかしそうに膝上の男の顔に顔を近づけて。
ちゅ。
男の額に軽く触れるだけのキスをひとつ、落とした。
次は口に直がいい、などと男が企んでいることは知る由も無い。
END
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リパーの企み。未だに外国ではこーゆうところが日本人は恥ずかしがりやだという話がありますからね^^
わたしも恥ずかしい(笑)
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