キツネとイタチが出会うとき。(キツネグレイタチレス)
あの青灰色のイタチを初めて見たのは水場でのこと。
喉の渇きを癒そうと水場へと訪れたとき
向こう岸でパシャパシャと水音を立てながら行水する
小さくて毛色の珍しいイタチを見つけた。
あのときから、ずっとあの子を欲しいと思ってる。
今日も今日とて森の中。
キツネのグレグズンはとくに目的も無くサクサクと茂みを踏み分けて歩いていた。
ここは森の中でも奥地にあたるため、そんなに狩猟の手も入ってこない。
獣たちが己の天敵以外に気を配らず歩ける森だ。
しかしそんなところでも、ごく稀に人間の罠が仕掛けてあることがある。
キーーー・・・キーーー・・・・
「?」
どこか遠くから、悲痛な獣の鳴き声がする。
天敵に襲われれば一発だから、こんな悲痛な鳴き声はまず聞かれない。
と、すれば何だろう。
とくにすることもなく退屈だったグレグズンは、その鳴き声のする方へ行ってみることにした。
後々このとき鳴き声のする方へ行ってみて本当に良かったとグレグズンは思うことになる。
ガサガサと茂みを掻き分け、視界の開けた先に見えたのは人間の罠にかかった毛色の珍しい一匹のイタチ。
あの日水場で見かけた、青灰色のイタチだったから。
キーッ!キーーーッ!!
「・・・・・!」
茂みを掻き分けたそこに居たのは、罠に足を挟まれ賢明にもがいている、あのイタチだった。
どうにか罠から抜け出さんとじたばたと暴れているがそれが災いして罠の牙が小さな足に食い込み鮮血を滴らせていた。
このまま暴れていたのでは足がちぎれるかどうにかなってしまうと思ったキツネは慌ててイタチに駆け寄った。
「?!!」
が、突然近寄ってきたキツネの姿に、イタチは飛び上がるほど驚いてしまった。
キツネはそこでふと自分が中型の動物で、イタチは小動物だったことを思い出す。
そしてキツネの被捕食者は『小動物』。
つまるところ、イタチにとっては天敵である。
そんなわけで、イタチはさらに逃げようと必死になってバタバタと暴れた。
ガション。
「・・・・?」
イタチは押さえつけられていた足がフッと軽くなった気がして目をぱちくりとさせた。
そろりと後ろを振り返ると、金色のキツネが居た。どうやら彼が罠を外したらしかった。
「・・・・・・!!」
イタチはその場からすぐにも立ち去ろうと立ち上がったが、またすぐコテンとその場に倒れてしまった。
彼の片足からは血が止め処なく流れているのだから無理も無い。へにょん、と尾も垂れてしまった。
キツネはそんなイタチの傍に回り込むと、その大きな尻尾でくりんとイタチを絡め取り、己の背中に負ぶった。
そのまま急いでその場を離れる。うかうかしていると罠を仕掛けた人間がいつやって来るとも知れないからだ。
負ぶわれたイタチはまだ食べられるとでも思っているのだろう、キツネの背中でキーキー鳴いていた。
キツネはというとこの好機を逃す手は無いと考えていた。
捕食と被捕食の関係である自分たちがその仲を縮められるのは今しかないのだ。
あの日あのとき。
あの水場で遊ぶきみを見かけたときから
ずっときみを欲しいと思ってる。
END
名無しさんからキツネグレイタチレス小説頂いてからずーっと彼らの出会いを温めてました。
やっぱりここはキツネグレの一目惚れから。行水姿を見たってことはあの珠のようなお肌を見ちゃったってことなんだぜ!
しっぽの毛が逆立ったに違いない。(笑)
ブラウザバックプリーズ!
07.11.22.TOWEL・M