鬼の霍乱、それすらも。(ヤード)

 

「おっはよーございます!」

 ヤードの元気印、ホプキンズがいつもどおり捜査課に出勤してくるとすでにブラッドストリートの姿があった。

「ブラッド、おはよう」

 いつもどおり誰かの声真似で返ってくるはずの挨拶が、今日はへらんとした笑い顔に取って変えられた。

 

「風邪引いたぁ?」

「ブラッドがか?」

「空から氷柱でも降ってくんじゃないの」

「・・・鬼の霍乱」

 いつものメンツがそれぞれにそれぞれ言いたい放題言うのに対し、ブラッドは怒っているようなジェスチャーをしてみせた。

 ぱくぱくと動く口は「それってどういう意味ー?!ヒドーーーッ!」と言っているようだった。

「腹話術でしゃべれば?」

「どっちにしろ声が出せないと無理だろ」

 他人事のようなグレグズンの物言いに、ピーターが突っ込む。

「熱は無いの?」

 ホプキンズがブラッドの額にぴとっと手を当てる。

 ブラッドがこくこくと頷いた。

 それを見た警部連はと言うと。

「前だったらこのくらいでもヤメロ熱ぃとか言ってたんだろうけどな」

「もう慣れただろう」

「おれらのおかげで!つーかおれらならデコで熱測るよな」(ちらり)

「何を言ってるんだお前は!!というか期待の目でこっちを見るな!!!///」

「「まったくだ。つーか少しは反省しろよ」」

「(そこーッ!おれをダシにしてイチャつかないーーーッ!!)」

 声の出せないブラッドが口ぱくでヤードのばかっぷるにツッコミを入れる。

 その間にもホプキンズはブラッドの口を覗き込んだりして喉の様子をチェックしている。

「あ、やっぱ喉腫れてるよブラッド。お医者行った方がいーよ?」

 その動作はさりげなく、ブラッドが気にする様子も無い。

「なんかいいなぁ・・・さりげなくて」(ちらり)

「だからそこでなんで俺を見るんだ、お前は!!」

「暑苦しくないというのが最大のポイントだな」

「(医者イヤだ)」

 思い思いの発言に混じってブラッドがふるふると首を振る。

「ダメだよ。注射打ってもらえばすぐに良くなるよー。」

「(いやだいやだ)」

「なんだブラッド、医者が嫌いか」

「行った方が良いぞ」

「そーいやレストレイドも注射がキラ「余計なこと言うな」

 グレグズンの腹にレストレイドの肘撃ちが綺麗に入った。

 ごふっとグレグズンが咽る。

「レストレイド、ヒドイ・・・」

「お前が要らん事いうからだ!」

「だって注射怖いからって俺にしがみついてたの「言うなーーーッ!!///」

 グレグズンの口を真っ赤になったレストレイドの手が塞いだ。

 そんな二人のやり取りに。

 いつものこと、いつものこと。

 ある種のまじないのような言葉が捜査課の其処かしこで唱えられる。

「(もーッまたイチャついてぇー)」

「・・・ブラッド」

 ばかっぷるの様子を見ていたピーターがブラッドに声をかける。

「?」

「とっとと風邪治してこい。そしてあのばかっぷるをどうにかしろ」

「無理だと思うがな」

 ピーターの切実な願いに、無慈悲にも現実的なアルセニーの言葉が被さった。

 その後ろではヤード一のばかっぷるがまだばかっぷるな話に花を咲かせていた。

 

 医者を嫌がるブラッドをけっきょく某探偵の医者のところへホプキンズが引っ張っていったのはまた別の話。

 

 

 

 END

 最初はもっとブラッド中心に事が進む予定だったのにグレレスのおかげでぶち壊しだよ!(笑)
 ブラッドはただ単に先入観でお医者が苦手。レストレイドさんは痛いの(注射とか)が苦手。
 まあそんなこと言ってもレストレイドは毎晩グレグズンにぶっといの以下強制終了★

 ブラウザバックプリーズ!

 07.07.14.TOWEL・M