新しい日々。(グレレス)
レストレイドに俺の部屋のありさまがバレて
風邪を引いていたこともあってなし崩しにアイツの部屋に住むことになった。
風邪の熱が引いて、すこし体調が良くなったときに、
元の自分のアパートに戻ろうとしたらもの凄い怒られて止められた。
俺が風邪でくたばってる間にレストレイドは俺の持ち物(と言っても着替えぐらいしか無いが)を
すべて持ってきていて、俺の部屋の引き払いもさっさと済ませてしまった。
いわゆる強制送還・・・いや強制移住か。
今では俺も諦めて、現在に至る。
「というかお前煙草と衣服以外に持ち物が無いってホントにバカだな・・・!」
「いや、だって必要なものだけ〜って省いてったらそうなったから。」
二人揃っての非番の日、買い出しがてら街を歩く。
風邪が治ってからこっち、レストレイドから俺への説教は絶え間ない。(ほとんど聞き流しているが)
「あんなガランドウの部屋!足の踏み場も無いほど散らかってる方がまだマシだ!!」
「あー、んじゃあそうしとけば良かった。つか、しようか?」
「俺の部屋でそんなことはさせんからな。と言うか、<b>やったら追い出す。</b>」
「<b>スイマセンでした</b>」
本気なんだか冗談なんだか分からない軽口を叩きながら市場へと入る。
風邪とはいえ一応病み上がりだからと、レストレイドは果物をメインにセレクトしていく。
俺は何をするでもなく、ただ目の前に広がる果物の山をペシペシと叩いていた。
物はあんまり持っていたくないから、ガランドウにしてたんだけどなぁ。
ああでも、自分の部屋に置いてないだけの話だったかも。
レストレイドの部屋に行った時に使うお決まりのコップ、お決まりのタオル、手に掛ける本・・・
全部いつのまにか決まっていた自分のモノ。
でも中でも一番所有してたのは・・・
「グレグズン、あと何か欲しいものあるか?」
「ん、んん、いや。」
買ったものを納めた紙袋を手にしながら、レストレイドが近寄ってきた。
それに生返事を返すと並んで歩き出す。
きっと一番所有してたのはレストレイドそのもの。
ちょっとでも誰かと喋ってるだけで気に食わない。
それが仕事でも私事でも同じ。
常に自分の手許に置いておきたかった。
ああ、だからか。
レストレイドの部屋にしょっちゅう泊まりに通ってたのは。
以前の自分の行動に得心がいき、苦笑が漏れる。
レストレイドがそれを訝(いぶか)しむように見たが、ふとある店のショーウィンドウに目を移し変えた。
「? どした?」
「ん?んー・・・ちょっと待ってろ」
どこか思案する風に呟いてからレストレイドが俺を残して店の扉をくぐる。
カランカラン、と来客を告げるベルの音だけが残されたがそれもやがて消え去った。
しばらく一人でぼーっと待っていると、再びカランカランと音がしてレストレイドが出てきた。
「ほら」
「?」
何かがポンと放られてきたので慌てて手を出しキャッチする。
手を開くとそこには銀に輝くシガレットケース。
「・・・俺、紙巻なんだけどー?」
「たしなみだろ。持っておけ。」
うわーぴかぴかだーなどと言いながら受け取ったシガレットケースを見つめる。
「てゆーか、これ、俺にくれるの?」
「でなきゃ放り投げるか」
「てゆーか、わざわざ?」
買ったの?と言外に疑問を含ませると、すこしイライラしているような雰囲気。
「自分の持ち物もたいして持ってないヤツにちょうどいいだろ!!」
ガァッ!と怒ったようにレストレイドは叫んだが、顔は赤かったので怒ったのではなくて照れてたんだろう。
いや、照れるのはこっちの方なのだが。
むしろアナタ自身が俺的には俺の最大の持ち物(いや、物じゃないけど)なんですけど。
そんな人からこんなさりげにイイモノ貰っちゃって。
「うっわ〜・・・ヤバイよ、素で嬉しいんだけど・・・」
一人歩き出してしまったレストレイドの後ろで、気づかれないように呟いた。
───どうか今は振り向かないで下さい前を行く人。
後ろから見るあなたの耳も然ることながら
私の顔もいま、目も当てられないほど真っ赤なんです───
END
なんか最近グレさん弱いな。惚気気味か?そうなのか?
所有物を最低限に抑えてきたグレさんですが
グレさんにしてみれば、レスを好きになった時点ですでにその戒めはアウトです(笑)
幸せになれヤードバカップル。(祝辞)
ブラウザバックプリーズ!
06.12.02.SUISEN