日常非ザル、是レ日常ナリ。(ヤード)

 

 ある日突然、いきなりレストレイドがちまくなった。(本当にイキナリだな)

 おまけに何やら長いふさふさとした尾が付いちゃってたり。

 あまつさえ青灰色の髪を掻き分ければ、ちっちゃな耳がぴこんと生えていたり。

 うーん、詰まるところこれは。

 

「イタチ?」

「イタチ」

「うむ」

「イタチだな?」

「イタチだな」

 

 とりあえずその場に居たいつものメンツで一様の結論を出し

 

「それじゃそうゆうことで」

「ああ」

「うむ」

「さて仕事仕事」

「そう言うお前こそが仕事しろよ」

 

 取り立てて問題にならなかった。(いや、充分問題になるよ)

 

 

 

 イタチレスの方もこなす仕事がいくつもあるせいか特に取り乱すことも無く(いや取り乱すだろ普通)

 ちまくなってしまった体で己の机の上を忙しなく行き来していた。

 

 自分の体より大きな羽ペンを持ってはトタタタタとインク瓶まで走り

 ちゃぽっとペン先を浸けると今度は置かれた書類に向かってトタタタタ・・・

 ちいさな両手で大きな羽ペンを持ち、大きく体を動かしてとりゃ〜っと文字を書いていく。

 

 そんな一連の動作をただひたすら机上で繰り返すイタチレスの様子に、普段は忙殺されているヤード内も

 

(カワイイ〜〜〜ッv)

(愛らしいぃ〜〜〜ッ!!)

(癒される・・・・)

(トタタタタって・・・!!/悶死)

(見るんじゃねぇテメェら【怒】)

 

 約一名(グレグズン)が殺伐としているのを除けば何とも稀に見る穏やかな空気に包まれていた。

 

 

 

 そんなこんなであっという間に昼になり、休憩を取ろうということになった。

 イタチレスはちまくて歩幅が追いつかないので、必然的にグレグズンが肩に乗せて歩く。

 バランスが取りにくいのかそれとも慣れない感覚が怖いのか。

 イタチレスはグレグズンの肩の上でよつんばいになって必死にしがみついていた。

 グレグズンが歩くたびに、長い尾がゆらゆらと揺れる。

 ヤードの建物から出てすぐ前にあるカフェにグレグズンたちは腰を下ろした。

 テーブルに着くと、グレグズンはすぐにイタチレスを下ろしてやった。

 テーブルの上にちょこんと座る。

 

「ちまい・・・・」

「ちまいね」

「うむ」

「ちまい」

「可愛いからいいけどな」

 

 フーーーッ!!(怒)

 

 最後のグレグズンのセリフにイタチレスが毛を逆立てた。

 が、グレグズンはそれを気にすることなく、

 指でつついてちょっかいを出してはその指をぺちっと叩かれて振り払われている。

 グレグズンがちょっかいを出すたびにイタチレスがキーキーと高い声で鳴いた。

 

「ときにレストレイドさん、今日どうするんです?」

「どうするって?」

「いやだからほら帰り。こんなちまくちゃ帰れないでしょ」

「ああ」

「そういえば・・・」

「イデデ!!レストレイド、噛むな!!」

 

 同僚の会話を尻目に、グレグズンがイタチレスに指をがぶりと噛まれて血を滴らせている。

 一応イタチ化してるだけあって、キバが鋭くなっているらしい。

 

「いてー・・・・」

「すっごい血出てますよグレグズンさん;」

「・・・・・・」(サッ)←カットバンを取り出した

「お、センキュー、魔王」

「なんかこういうのあったよな」

「『こわくない、こわくない』ですか」

「『怯えていただけなんだよねv』」

「ブラッド、声マネ上手いな」(語尾に付いたハートが気になるが)

 

 そんなことをやっている内にオーダーした料理が来て、一気にテーブルが賑やかになる。

 レストレイドは小さすぎるのでグレグズンが手馴れた様子でソースやスープを付けたパンやサラダなどを小さくちぎって与える。

 イタチレスも、それを当たりまえのように受け入れて食べている。

 普通サイズだったら、間違いなく「アーン」だろう。

 

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

「・・・なんつーか、さ、」

「ん?」

 

「「「おまえらそれ日常でもやってるだろ」」」

「うん」

「�凜�ィッ?!!///」

 

 青白かったイタチレスの顔に朱が昇って、グレグズンは平然と肯定の意を示して頷いてみせた。

 一瞬間を置いて、イタチレスががぶりとグレグズンの手を噛んだ。

 

「いっででで!!放せ!コラ!!」

「フギーーーッ!!/////」

 

 ギャーギャーと痴話喧嘩を始めた一人と一匹を横目に見ながら、同僚たちはいっせいに溜め息を吐いた。

 

「帰りの心配・・・要らなかったですね」

「だね」

「うむ」

「持ち帰り決定だろ」

 

 片方がちまくなろうがしっぽが生えようが、ヤード一有名にして問題ありきの彼らには関係なかったようである。

 むしろ見てる方には悪くなってる気がする

 もう一度全員で溜め息を吐いた頃には、一人と一匹の姿はカフェから消えていた。

 これもヤードの変わらない日常。

 再三、テーブル席から複数の溜め息が漏れた。

 

 

 

 END

 非日常はあたりまえですかヤードの皆さん。
 もうちょっと反応しましょうよ。フツーの人間はいきなりちまくなったりしませんよ(笑)
 イタチレスはグレにお持ち帰りされたようです。向かう先はもちろんレスのアパートですか(笑)
 指がぶりは腐海の森のロマンです(違)

 ブラウザバックプリーズ!

 06.07.22.SUISEN