重い、痛い、ダルイ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・死ね(怒)
普段の物静かな様子からは想像も出来ない言葉を、保険医は脳内にて連発していた。
『捕食者の生贄』
何がいけなかったんだ何処がいけなかったんだ
あああれだ、きっといつもなら絶対に行く機会もないし
何より近寄らないようにしているはずの生物室の前を迂闊にも通ってしまったのがいけなかったんだ。
軽率な自分の行動。
でも、誰だって通りがかった生物室からいきなり手が伸びて自分を拉致る、なんてことは思いもしないだろう。
いや、自分は気をつけていたけれど。
そんな事態すら、ヤツが相手なら有り得る、と警戒していたけれど。
・・・・・
・・・・・・
・・・・・・・ああ、腹が立つ。(怒)
体は全身重いし、ダルイ。指一本だって動かしたくないと言うのはホントだと思う。
下腹部はズキズキと鈍い痛みを訴えて・・・ああ下肢がドロドロとしていて気持ち悪い。
何やら頭も重くて朦朧としている。
・・・・そういえば引きずり込まれたとき口移しで何か飲まされた。
で、それっきり意識はぷっつり途切れているから。
いずれにせよ、全部この赤いののせいだろう。
横たわったままの保険医がギッと睨み付けた視線の先には、たしかに赤いのが居た。
よれよれの白衣姿のまま、眼鏡をかけた男が椅子に座って煙草を吹かし、科学雑誌を開いていた。
準備室室内の照明は落ちていたが、机上の蛍光灯スタンドに照らし出された男の髪は燃えるように紅かった。
その蛍光灯スタンドの明かりの外で、保険医は衣服を乱雑・かつ中途半端に脱がされかけたほぼ全裸の状態で床に転がっている。
あきらかに姦淫罪に相当する状況であったということはまず言ってしまっても間違いは無い。
鼻をくすぐる白煙の臭いに、保険医は顔を顰めた。
「・・・・学内は全面禁煙だ」
首は巡るが、体は粘土か泥のよう。自分の意思でぴくりとも動かせないのが不満だった。
だがその巡らした視界にたまたま入ってしまったモノを見て、保険医はますます眉間の皺を深めた。
「深夜だし。どーせもう残ってんの俺らだけだし。いーじゃん・・・って、あ、ソレ別にアンタには使ってないからな」
誌面から顔を上げずに、チラリと視線を動かしただけで生物教師は答えた。
「アンタ『には』ってことは・・・誰かに使ったんだな・・・・」
保険医が見つけたモノ。それはいわゆる夜のオモチャ。
「んーあージルドレ君に」
「・・・・・・・・・生徒だろ?」
「だから?」
「・・・・・・・・・」
片や犯され液まみれ。片や拉致怪しげな薬投与のうえ強姦した張本人。
その間で淡々と繰り広げられる、会話。
現状の割には、双方ともクールだ。
「・・・・何回ヤった?」
だからと言ってヤられまくった保険医が
「抜かずに3回、抜いてから2回。だから下ガバガバでし「死ね死ね死ね」(怒)
事実を聞いてキレないかと言えば、そういうわけでもない。
生物教師の口から咥えていたタバコがポロッと落ちた。
暗がりから明かるい方へと罵倒が飛ぶ。
「死ねって・・・・保険医、保険医がそーゆーこと言うかな」
「うるさい、死ねこの変態実験魔。エロ解剖生物教師」
「・・・保険医──・・・・そんなに俺が嫌いか・・・・・・」
「空きっ腹にメチルでもエチルでも流し込んで死ね」
「・・・・・・」
最後にとんでもない罵倒が飛んだような気がしたが。
生物教師にしてみれば保険医が常々自分を毛嫌いしていることは知っているし、別に彼に嫌われて困ることも無かった。
生物教師にとって、保険医との関係は【捕食】だった。
【捕食者】であるところの自分が【被捕食者】であるところの保険医を捕まえて、食べた。
それだけの話だ。
生物室を出ようとしたとき。
たまたま廊下をこちらに向かって歩いてくるのが見えたから。
これ幸いと待ち構えてタイミング良く引きずり込んだ。
薬を飲ませて、催淫剤を打って。
普段は嫌悪に満ちた敵視する表情も惚けて緩められ。
焦点の定まらない夢見るような眼は本当に
本当に、美味そうだと思った。
何の抵抗も無く捧げられる大理石のような肌はさながら『生贄』。
捕食者に捧げられる被捕食者。
それは、捕食者のために用意された生贄。
だから彼には『食べられる』という行為がよく似合う。
ああ・・・・よく似合う・・・・・・
ガシャン、と音がした。
スタンド明かりの逆光の中、生物教師が佇んでいる。
ガシャンという音は立ち上がったときに椅子が引っくり返ったものだった。
カラカラカラ・・・・・
椅子のキャスターが空転する音だけが異様に大きく室内に響く。
「・・・・・・?」
生物教師の雰囲気が変わったことに気づいたのだろう。保険医が顔を上げる。
「おい・・・・?」
なんの反応も返ってこない。こちらを見ているはずの生物教師。
しかしその顔は逆光に遮られ、影としか映らなかった。
狭い室内に、水を打ったような静けさが訪れる。
ほぼ全裸の状態で放っておかれても寒くはない季節のはずなのに。
保険医は背筋に怖気を覚えて、ふるりとひとつ身震いをした。
酷く緩慢な動作で、【捕食者】が近づいてくる。
***
「ぁぐあっ・・・・は、ア・・・・・!!」
もう五回は確実に熔かしたソコを指で何度も掻き出すように混ぜ、
舌と歯を遣ってまるで果肉でも味わうかのようにしゃぶり付く。
明らかに性行為が与える刺激とは違うそれに、男の下肢は男の意思とは関係なく小刻みに震えている。
『犯される感触』ではなく『食べられる感触』を鋭く察知しているのだろう。
施すのは愛撫ではなく『舌鼓』
指が内を掻き回すのは快楽を与える為ではなくより好い旨味を引き出すため
そしてこの男自身も、俺が性欲ではなく食慾で動いていることが解かっている。
「・・・・ッくそ、死ね・・・・!!」
だから、拒む。
「はな、せぇ・・・・・!」
だから、抵抗する。
「ぅあ・・・・・!!」
ありったけの力でこの手を振りほどいて、逃げようとする。
でも残念。
一度捕らえられた獲物を、捕食者が逃したという例はまず無い。
ライオンが、仕留めた草食動物を必死にもがき苦しむからと逃がしたことがあるかい?
水中から虎視眈々と岸辺の水鳥を狙っていたワニがそれを一呑みにしないなんてことがあるかい?
情に駆られて目前の獲物を逃がしてやる。
そんなもの、お伽噺の中だけの話。
「う・・・ん・・・!はァ・・・・」
すでに6回目となるソコはなぶる前から紅く熟れていたが
再び丹念に熔かしてやったことによって瑞々しさを称えて熟れ切っていた。
水分をたっぷり含んだ上に甘い、上等な果実を思わせる。
入れたいというよりは飲み干して喉を潤したいという思いに駆られる。
もう5回もヤっているのだ。
そろそろこの食慾を満たしてしまいたい。
「ひは・・・・?!あ、ぁああ」
できるだけ舌を奥へと入り込ませて。
口を上下に動かせば、紅く熟れきった果肉を食むように刺激した。
アクメに負けつつも男がこちらを嫌悪する視線も表情も拒む動きも変わらない。
だが確実に抵抗の声は喘ぎに変わりそれらの動作も小さいものになり、【被捕食者】から【食べ物】としての姿になってきている。
「ハッ・・・くぁ、っく、ァ・・・・・・・」
そう詰まるところ食べ物なんだ。
「ゥあぁあ・・・ッひ、や、ヤ」
これが一番望ましい姿なんだ。
「ひィあッッ?!ン、ン!」
そうさ食べ物は食べ物らしく。
「ァはッ!は・・・あ、アッ───!!」
大人しく喰われていればいいさ。
***
・・・暗闇の廊下を、ズルズルと何か重いものを引きずる音がする。
意識を飛ばした保険医の胸倉を掴み、それを引きずりながら生物教師が明かりの無い廊下を歩いていた。
角を曲がり、手元も見えない闇の中、ドアノブを回して開けた先は窓から差し込む街灯に照らし出された保健室。
三つに仕切られた部屋のうち、一番奥の仕切られた壁の影に置かれたベッドへと保険医を放り投げる。
ドサ、と音がしてスプリングがギシリと悲鳴を上げたが保険医はピクリとも動くことはなかった。
まあまずここなら見えなくていいだろう。精液まみれのモノを置いても。
あとはドアに鍵を掛けて、不在の札でもかけて置けば明日一日くらいは誤魔化せる。
そのままスタスタと保健室から出ると、思惑通り鍵を掛けた。
まあこの学内には鍵が通用しない相手が約二名ほどいるが。
べつにバレたっていいだろうと思う。何も困ることは無い。
そのときは迎え撃てばいいことだ。
そこでふと、何も保険医のこの有様を見て必ずしも誰もが助けようとは思わないのではないかと思った。
この食べ残しに、おこぼれに預かろうというヤツらもいるだろう。
それこそハイエナのように。
そう。
この【被捕食者】の【捕食者】は何も俺だけとは限らないんだから。
END
* * *
すいません、誰か反応ください。(平伏)
ぬーおおおおおおおおおお〜とうとうやってしまったリパルブ裏小説〜〜〜ッ(あんまえっちぃことしてないけど!)
リパがルブに抱くのは『性欲』じゃなくて捕食者としての『食慾』だと言いたかったんですが・・・難しいなぁ;
やってることはエロと変わんないですしねぇ・・・(遠い目)
ああそれにしたって前半と後半の差がありすぎのような・・・・・
ううう、こんなんでも最後まで読んでくれた方どうもセンクスです(T_T)
ブラウザバックプリーズ!
06.07.11.SUISEN