ここ数日、暑い日が続いてるというのに。
回診に行くドクター・ワトソンは襟元まできっちりボタンを絞めて緩めない。
「ドクター、暑いでしょう?家の中でぐらい、ゆっくりされても・・・・」
行く先々の患者の家でそう言われても、
ドクター・ワトソンは曖昧に笑うだけでけっして襟元を緩めることはなかった。
『神聖不可侵に付き』
嵐が来た───とはその下宿の女主人の談。
バタンッと乱暴に玄関の扉が開けられる音に続いて、
ダンダンダンッと階段を踏み抜かん勢いで上っていく足音がして───
バァンッと二階の部屋が開く音に
「ホームズッッ!!!!」
いつもは温和な下宿人の怒号が重なった。
バサバサバサ・・・・・
「・・・・・・」
いつもだったら『ああ、おかえりワトソン』と言ってのけただろうが。
荒々しく開けられた扉と怒号の衝撃で崩れた本に埋まっていたため、それは適わなかった。
長椅子に横になった状態で本の波に埋もれ、さてどうしようかと思案していると
今度は乱暴に本が退けられ光が射すと同時に、どうやらとても怒っているらしい同居人の顔が見えた。
「ただいま、ホームズ」
「やあ・・・おかえりワトソン」
そんな眉間に皺を寄せた顔で言われてもねぇ。
できればにっこり笑って言ってもらいたい。(ニッコリ笑ってる方が怖いときもあるが)
「なにか、怒っているみたいだね」
こういうときは早目に原因を知って謝ってしまうに限る。
改善・・・・は、出来るかどうか知らないが。(まず九割方無理だろう☆)
「なにかもなにも!!」
そう叫んだ瞬間、彼はバッと襟元を開けた。
そこには昨夜、私が咲かせた淡い赤い花が点々と散らばっている。
「ヤルのはいいとして、必要以上に首に痕つけるの止めてくれない?!!」
やった。
ヤルのはいいんだ。
いま、なんか別のこと考えただろう。
ギロリと緑の両眼に睨まれて
滅相もゴザイマセンと両手をあげたのだった。
「───は、ァ・・・・!!」
何度抱かれても不感にならないのが不思議で堪らない。
人間には、慣れというものがあるはずだけど。
「ワトソン・・・」
「ン・・・・!んッあ、ああっ」
体中を触れるように撫でる唇に、舌に、
慣れる、なんてことはない。
「、アッ──あ、ァ・・・・ッ!!」
舌が後ろに挿し入り、可能な限り内を舐めては唇がそっと口づけを落とす感覚に太腿が粟立つ。
「んッ、ふぅ・・・・」
よく濡れそぼったそこにホームズのモノが宛がわれて
体が一瞬ビクつくも、目だけは快楽を映してうっとりと潤んでいるのが自分でもわかった。
「ァ、あぁぁぁあ・・・・」
ゆっくりと挿入してくるそれに意識を傾けかけたとき、ふっとホームズの唇が耳に触れた。
そうして耳から首筋へ、撫で触れるように降りてきたそれは───いままさに吸い付く、と思われる瞬間に離れた。
まるで、なにかに気づいたかのように。
叱られた子どもが、叱られたことをまたやろうとして、あっと気づいたときのように。
そこから消えた感触は背中へと移り、背骨をたどってゆく。
───腰のあたりまで来ると、ちゅ、とちいさくひとつ吸い付いた。
淋しそうに感じたのは、絆された証拠だ。
──はぁ
しょうがないなぁ
体を器用に反転させると、黒い頭を引き寄せる。
「ん、ホームズ」
そのまま自分の首筋に、彼の顔が埋まるように。
「? ワトソン?」
頭の後ろを抱えられて窮屈そうなままホームズがこちらを見上げる。
「いーよ、シテも」
「朝まで?」
「そっちじゃなくて」
首に、キスを。
痕を。
残してもいいよ、と告げると少し目を瞠ったが嬉しそうに首に吸い付いてきた。
きみは 知らないから
「んああああ・・・・!!」
絶頂の階段を昇り詰めるとき、仰け反るきみの喉は闇の中に白く浮き上がって。
とても、綺麗だから。
「ッ、ほ、むず・・・・」
「ワトソン・・・・」
喉元に貪るように口づければ上がる艶っぽい悲鳴が聞きたくて、何度も何度も口づける。
そんな甘い首筋に痕をつけるなっていう方が無理だと思うが。
その首筋
神聖不可侵の甘さに付き
むやみに人目にさらすこと無かれ───
END
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終りのツメが甘かった・・・・(後悔☆)
しかし・・・ようやっとのホムワト裏小説なのに何この甘さとエロの少なさ・・・・(脱兎)
ごめんねみんなッ(ダッ)
* * *