配布元:HPでセリフなお題
*会話4(ルブランとジルドレ)*
べつに、よく一緒にいたというわけではない。
ただ、学内でも浮いた存在が
私と彼の二人だった
ただ、それだけのこと。
『青春ではない青と居たあの頃。』
夏の日はスコールに注意。
でも、寮の窓辺にいる僕らには関係なかった。
「うわー、すごい真っ黒な雲☆」
空を大口を開けて見上げたままの彼につられて、いっしょに空を見上げる。
あんなもやもやでぐるぐるとした雲の色よりも、彼の髪の色のほうがよっぽどすごいと思った。
真っ青で、はっきりしていて。
思いを口にすることなく黙って空を見上げていると、ダツ、ダツ、ダツ、と音がして───
ド・ザーーーー・・・・・・
空から大量の雨が、それこそバケツを引っくり返したが如く降ってきた。
「うわーッ、うわーッ、うわーッ」
開いたままの彼の大口から、感嘆のような悲鳴が空に向かって発せられる。
「うわーッ、すんごい雨!!ね、モーリス。ほら、空が号泣!」
そう言って、彼はバッと空を指差した。
その指は、確かに空の何処か一点を差していたのだけれど、それが何処なのか。
辺り一面真っ黒な雲で覆われた空に、彼が指差す場所を見つけることは出来なかった。
雨が、降る。
ザー
ザー
ザー
ザー・・・・
怒号のように、あれだけ降り注いでいた雨は一頃だけで。
ものの数十分で、黒い雲の切れ間から光が差し込んできた。
「あ!晴れた!」
けっきょく雨が降っている間、ずっと開けていた大口に笑みを宿してジルドレが叫んだ。
雲が、驚くほどのスピードで開いてゆく。
薄暗かった世界に夏の太陽の光が戻ってくる。
そして現れる、青い───
現れた空に、知らず目を見開いていた。
青い、青い、
どこまでも抜けるように、天高く真っ青な、青。
「うわあ、なんかすごい青空だね。」
また大口を開けて空を見上げる彼に視線を映して、あ、と気づく。
そして珍しく、それを口にしていた。
「・・・・・きみの髪の色だ。・・・・きみの髪は夏の日の雨上がりの空なんだなぁ・・・・・・・」
言ってしまってから、ハッとして彼を見ると、彼はきょとんとしていて。
「そんなこと言われたのはじめてだぁ。」
何処か照れくさそうに、笑ったのだった。
それは思い出せば昨日の如き、遠い夏の日の思い出。
ブラウザバックプリーズ!
08.04.28.TOWEL・M/再録・再編