はて。
ここは己の自室。
それは間違いない。周囲の調度品や品々がそれを立証してくれる。
では何故。
・・・・すー・・・・・すー・・・・・・・
何故、私のベッドに彼が眠っているのだろうか。
「・・・・もしもーし・・・・ワートソーン?」
ツンツンと指で頬をつついても、いっこうに規則的な寝息が止む気配は無い。
「やれやれ・・・困ったな」
ギシリとベッドに腰掛けて、安眠貪る彼を眺める。
深夜、読書を楽しんだ後、そろそろ休もうと思って自室に来てみればこれである。
まあ、休む分には今日一晩くらいは彼とベッドを交換しても良いのだけれど。
「どーして僕のベッドで寝てるのかねぇ・・・・」
「んん・・・・・。」
頬を首筋にかけて撫ぜてやればくすぐったそうに身じろぐ。
私はふと思いついて上掛けを剥ぎ取ると、ワトソンの脇から脇腹に掛けてをくすぐり始めた。
「・・・ン・・・・・んん〜〜〜〜・・・・・」
眉を顰め、身じろいでかわそうとするのを許さずくすぐり続けていると。
「ん・・・ぅあ・・・? ッあ??!!んぁはははは!!や、・・・!!」
「やあ。お目覚めかい?」
目を覚ましたワトソンが目を白黒させる。くすぐりに反応して、激しく体をくねらせる。
「??!ホムッッ・・・ん、ひゃ、あ、はははは・・・やっやめ」
ようやく私を認識したらしい。だが私はくすぐる手を止めない。
「訊きたいんだが、いつからこのベッドは君のになったのかな?それとも僕が部屋を間違えたのかねぇ・・・・」
でもここはどう見ても僕の部屋だしねぇ・・・・・そう言って私はいっそう激しく彼の脇腹をくすぐりにかかる。
「ひゃ・・・ッ!!や、そッ・・・・・んック、ぁああっ・・・・!!」
逃げ場の無いベッドの上で、ワトソンは苦しそうに顔を歪め、体をくねらせてどうにか私の拷問から逃れようとしている。
頬を紅潮させて耐えるその様は一人の男を煽るには充分すぎた。
彼が仰け反った瞬間、露になったその首筋に噛み付いた。
「ッイ、ァああアあッッ??!!」
ワトソンの体がビクビクと痙攣する。
私はくすぐりから愛撫へとその動作を移行していた。
だが。
「・・・・・ぅ、え・・・ひっく・・・」
小さく聞こえてきた泣き声に、内心しまったと思う。
「ワトソン」
慌ててワトソンを抱き起こして背中を擦る。やはりというか、ワトソンは泣いてしまっていた。
「うぅ・・・ホームズ・・・・・怒って、る・の・・・?」
俯いた顔。その頬を細い涙が伝っていく。
抱きしめて、髪を梳くように撫でる。
「怒ってなどいないよ、ワトソン。すまない、少しやり過ぎた。でも、どうして僕のベッドで寝てたんだい?」
彼が鏡の囚人だった頃から彼には部屋を与えていた。左右対称の世界だったとはいえ、いまさら間違うはずもないだろう。
「んっ・・・ごめん・・・・鏡の中では、いつも・・・・・・君の部屋で寝てた」
「・・・・ワトソン?」
驚きの眼差しを向ければワトソンは至極居心地悪そうに身じろいで。しかし私の腕の中に閉じ込められて逃げ場は無かった。
「その・・・向こうでは独りだったし・・・・君のベッドにだったら陽炎だったとしても君がいたし・・・・・」
ポソポソと言葉を紡ぐ彼はどんどん俯いてしまって、これ以上にないほど首が垂れている。
つまり空間の相違はあれど、私たちは寝所を同じくしていたことになる。
小さな嬉しさを憶えて、自然と言葉に笑いが含まれてしまう。
「・・・・なるほど。それで今夜もつい僕のベッドで寝てしまっていたというわけか」
「・・・ごめん・・・・・・」
笑いを含んだ私の言葉をどう取ったのか、ワトソンはひどく気落ちしてしょんぼり謝った。
「謝ることではないさ・・・ああ、すこし赤くなってしまったね・・・・」
先ほど噛み付いたところが赤くなっているのに気づいて、ワトソンの首筋をペロリと舐め上げた。
「ひゃあああッッ??!!」
激しくビクついて動きが止まった瞬間に抱いたまま一緒にベッドに沈む。
「??!!ほーむ・・・??!」
「今夜はここで休もうじゃないか」
二人でね、と言いながら髪を梳いてやる。
「ふ、ふたりって・・・!!」
「嫌かい?」
前髪を掃って額にキスを落とすとビクンと震えた。
「う、ぇ、・・・ッや、ではない、けどっ・・・・」
たどたどしい了承を得、ゆっくりやんわりと触れ撫でる。
「ふぁっ、ふぇ・・・・・っ」
涙目で悶える彼にふとした疑問が浮かぶ。
「・・・・ちょっと感度が好すぎやしないかい、ワトソン?」
まだそんなに触れてないよ?耳元近く呟いて甘く咬む。
「ンあ・・・・!!だ、て・・・・・!」
「ああ・・・・そうか、君はここ数百年、誰にも触れられていないのだったね」
耳に吹き込むように言えばギュッと目を閉じる。涙が滲む。
実際、そうなのだろう。
ここ数百年、なんの刺激も受けることの無かった感覚器が外部の刺激を過剰に脳に伝えてしまっているのだろう。
少しの接触でも予想以上の反応を返してくる。
・・・・と、いうことは。
くちづけを雨のように降らして気をそらせて、そうっと彼自身を服の上からたどる。
ああ、やっぱり。
さてどうしようか
そう思うが早いか、私は彼の衣服をむしり盗っていた。
「・・・ッ?! ぇ、ほむ」
それからあとの彼の言葉は続かなかった。
「────────ッ!!・・・・ッ」
涙目の焦点は定まっていない。自分が果てたことにも気づいていない。
一瞬の濃い愛撫と先端への刺激は少々過剰だったか。
しかし一度は解放しておかないと今の彼では行為の最中に何度失神することになるのやら。
いまも、そんな様相なのだが。
「ワトソン、ワトソン」
ぴたぴたと顔をたたいてやる。
「・・・・ッ、・・・・・」
口がわずかに開いたが、呼吸が整わず音にならない。
「・・・・ふ・・・・・・・」
ようやく呼吸が落ち着いて、ちいさな息が漏れる。
「ワトソン?大丈夫かい?」
「ん・・・・・」
髪を梳くと気持ち良さそうに目を細める。
髪を梳く手を頬へとおろすとそのまま私の手へとすり寄る。
心地よさを宿した瞳に、その変化を知る。
「・・・・ワトソン」
額に/瞼に
唇に/咽喉に
ちいさく啄ばむようにキスを堕としていった。
以前のような過剰な反応はもう無く。
「ホームズ・・・・」
おのれの名を呼ぶ温かな吐息と、見つめる瞳のみが私を待っていた。
細心の愛しさを込めて白い柔肌を撫でていく。
彼の口が微かにひらいて。
ちいさくも、深い吐息がこぼれていく。
撫でていく途中で気づいた。
肩から腹にかけて。
ななめに奔る、痣。
彼に死と囚われの日々をあたえた傷の痕だ。
さほど目立つものではなかったが。
「んんん・・・・・」
痣を指でたどり、舌を這わせるとそれでもワトソンは嫌そうに顔を顰め、体をよじった。
彼と同じ時間を共有し、触れ合えるようになって。
彼の当時を痛く思う反面、よかったと思う自分がいる。
『彼が殺されてよかった』
『鏡が彼を閉じ込めてくれて本当によかった』
なんて愚かしい。ああ だが。
そうでなければ私は彼と今こうしていられなかった。
出逢うことすら叶わなかっただろう。
「だが」のあとに続くものも、所詮は私の言葉なのだ。
ああ なんて・・・・
「・・・ムズっ・そこ、も、やだ・・・・やッ・・・・!!」
弱々しく額に触れ、私を押し戻そうとする手と途切れ途切れの抗議の声に意識を還す。
考えの淵に沈んでる間中、痣ばかりを舐めあげていたことに気がついた。
「ああ・・・すまない。つい、ね・・・・・・」
「ふっ、ぅん・・・ふあ・・・・っン、ぁアあッ?!!」
灰色に澱む思考をごまかして深いくちづけを施してやる。
同時に熱へと手を添えてやれば一瞬で果てた先刻と違い甘い悲鳴があがった。
「ひぅあァあ?!!あッ・・・・ァ・・・・!!」
よがる喘ぎ声に悲しさと愛しさが募る。
─────入り混じる。
乱れた愛撫を与えてやれば先走りの蜜はあふれて。
「はっあァ・・・!!ン、やっ・・・・ヒッ?!ぃあう?!!」
こぼれ出た蜜を秘所へとあてがい、撫で擦る。
ヒクついたのに乗じて蕾に舌を差し入れる。
「ふやっ!!ッやあ・・・・・・あぁ───・・・!!」
全身の甘い痺れを訴えて震える声。
散々舐めまわした後、指を差し入れた。
「あ、あっン、ひァ・・・・!!」
むしろ震えたその声は、待ち焦がれた心で満ちていたように思えた。
横たえられたままの彼が唇をねだって無理に体を起こそうとする。
押しとどめて舌をからませてやれば鼻にかかった喘ぎ声。
途端、早く、と。
求められているのだから早く、と。
求めかえしてやれ、早く、
自分勝手な本能が急速に動き出す。
指の慣らしをそこそこに、己自身をあてがった。
「あ・ふ・・・・・ヒッ・・・・?!」
ぶるっと身震いして切なそうに見上げてくる。
「ン・・・ほーむ、ず・・・・・・」
誘うように背中にまわされた腕にまかせるように彼の中に突き入れた。
「ぅッ・・・・ああぁアあ!!」
苦痛ではない、快楽の悲鳴。
「あア・・・・!やあん・・・・!!ァ、やだ・・・もっ・と!!」
ほどよく力の抜けた体は貪欲に更なる刺激を求め続けて。
「・・・・いざとなると結構乱れるんだねぇ、ワトソン?」
「・・・・!!」
顔を真っ赤にして口をつぐむも、その腰は誘うように動いている。
クスリと笑い、目元にキスを落として───
「ひッイ、ああああああッ!!」
激しく始まった攻撃に、組み敷かれた愛しい人は愉悦に蕩けた。
「ンッ・ク、あ───」
とろりと液が零れ落ちる感覚にワトソンが溜め息のような喘ぎを漏らした。
「ワトソン・・・・ワトソン、大丈夫だったかい?」
「ん・・・・」
頬に貼りついた髪を梳いてやると、心地良さそうに笑みを浮かべた。
「ほーむず・・・ドコ・・・」
もう瞼を上げていられないのか、目を閉じたまま力なく私を探す手。
「ここだよ。大丈夫だ。ここにいる」
抱き寄せて額に軽くキスを落とせば安心したように一呼吸し───そのまま穏やかな寝息が立ち始めた。
「おやすみワトソン・・・・」
かく言う私も胸の中に納まったワトソンを抱いて眠りについたのだった。
一緒にいたのに一緒にいられなかった日々を埋め合おう
触れ合えたはずなのに触れ合えなかった日々を取り戻すように
これからは
ずっとそばにいられるのだから
END
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ッあ゛ーーーーー!!!!ダメだーーーーー!!!!(自爆!ボーン!!)
すいません、ダメでした・・・・T△T エロってムズカシイよう☆(涙)
しかもなんか先生思い込み激しいし。
ううう・・・・やっぱり自分は切ない系に搾りますよう・・・・エロは帝王の方がよっぽどお上手。
しかも自分イったところの描写はぶいたしな!!・・・・・ダメダメ人間の代表だーーーッ・・・・(バイ・●茶彦)
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