埋め尽くされた誕生日

 

 

 朝日を浴びて浮上する意識の中。

 鼻をくすぐる芳香に、どうしてこんなにキャラメルストロベリーティーの香りが立ち込めているのかと思った。

 違う。

 キャラメルストロベリーティーの香りではない。

 これは───

 

 ・・・ぼんやり開いた瞼の向こうに見えてきた光景に絶句した。

 うん、何というか。

 花だ。

 ベッドの周りを埋め尽くす花・花・花。

 それらはすべて薔薇の花であった。眠っているときに感じた強い芳香は、これだったのだ。

 一体俺はドコのマドモアゼルだ。

 てゆーかこの量は半端ない。棺桶の中にでも居るのかと思った。

 そしてさらに突っ込ませてもらえるならば。

 

 確かに寝間着を着て寝た自分が、なんで全裸になって寝てるんだ。

 

 ・・・・・・

 ・・・・・・。

 いつ脱がせた?!!

 

 枕元に置かれたカードを見遣る。

 カードには達者な字で『Happy Birthday』。

 

 ヤツか。

 ヤツなのか。

 いやこんなことするのはヤツしか居ない。

 

 俺は今のこの寝室の状態を仕立て上げた(おそらく家中なんだろうが)アホを捜す為に、シーツを巻いて部屋を出た。

 

 クローゼットの中がカラッポだった。

 俺の服を何処にやったあのアホ(怒)

 

 祝われているのかイヤガラセを受けているのか分からない(アホはめいっぱい祝ってるつもりだろうが)一日が、いま始まった。

 

 

 

 END

 * * *
 怪盗はめいっぱい祝ってるつもり。(笑)
 ルブはぷんすか怒りながら怪盗を探し出そうと奮闘。
 ある意味いちばん穏やかな誕生日かもしれない^^

 ブラウザバックプリーズ!

 06.12.12.SUISEN