ジジジッ、ジジ・・・・

 

切れかかった街灯が、彼らを隔てて、邪魔をする。

 

かなしい背中

いまは閉じている

かなしい真実

 

その背中の向こうには美しい女性の屍が横たわっている。

『彼が愛する女性』は、つい先刻、『彼が愛していた女性』に変わり果てた。

互いが互いを深く愛するがゆえに、終わらせた/終わらされたすべて。

慰めるかのように、風がひとしきり彼の長い金糸を弄んだ後。

彼は振り向き、言った。

 

「愛してるだけじゃ、やってけないですよ。」

 

裏切っている。

瞳だけが

その瞳だけが、言葉を裏切っている。

いま言うのは適当じゃないかもしれない。

言ったら壊れてしまうかもしれない。

だが

だが、探偵はいま、言ってやりたかった。

 

「こんなときに、嘘なんてつかなくていい。」

 

ジ・ブツン。

 

街灯が堕ちて、辺りが静寂に包まれて。

次の瞬間、悲痛な悲しみと嘆きと絶叫が、静寂を切り裂いていった。

 

 

 

愛してるだけじゃ、やってけない。

確かにそうだ。

でもいまは。

『愛してる』人と決して乗り越えられぬ厚き壁一枚に隔たれてしまった今は。

嘘なんて、つかなくていい。

嘘なんてつかないで、いつもは言えないことも全部すべて叫べばいい。

『愛した』人に、届くように。

 

 

END

********************************

ルパン、愛する人を失ったときとそこに居合わせたホームズのおはなし

これを機にクラリモンド嬢(一応ルパンの恋人設定^^;)の人物像作りしてきたい・・・

ついリパハルに走ってしまうからなあ(てへへ;)

********************************

もどりましょう、先生。