目が覚めたのがいつだったのかは覚えてない。
自分が生きているということを自覚するまでに、日は三度昇り三度沈んだ。
生きていると認識した瞬間、急に帰りたくなった。
無性に帰りたくて帰りたくて、気がつけば。
結構ボロボロな体を引きずって歩き出していた。
体がやけに重く感じたのは全身びしょぬれのせいだけではなかっただろうが。
どうせ帰る先には医者がいるのだ。
どこがどう悪いかなど彼になんとかしてもらおう。
また幾日か経っただろうか。記憶が定かではないが。
見慣れたベイカー街に辿り着いた頃にはもう夜も更けていた。
道に人通りも無いから、こんな状態の自分にとっては好都合だった。
住み慣れた下宿屋の呼び鈴を鳴らす。
同時に縋るようにレンガの霹靂を見上げた。
住居兼事務所代わりにしていた部屋の窓から灯りが洩れていた。
ワトソンはまだ起きているようだ。
呼び鈴をもう一度、今度は数回連続で鳴らした。
足がガクガクと震えてきて堪らず扉に寄りかかった。
思えば僕はどうしてここまで来たのだっけ?
思い起こそうとしたら寄りかかっていた扉が開かれて、僕はそのまま中へと倒れこんだ。
「 きゃあッ??!、??!、!!、ホームズさんッ??! 」
口元を覆いながら僕を見下ろしているハドソンさんの顔を、僕はぼんやりと見上げた。
「 ・・・やあ、ハドソンさん・・・すみませんが、ワトソンを・・・ 」
「 ホームズ??!! 」
僕の言葉を、聞き慣れた声がさえぎった。
バタバタと駆け寄ってきて、僕を抱き起こし、覗き込むんでくる顔。
人の良さそうな、否、事実良い優しい顔。
今は血相を変えて真っ青になってしまっているが。
「 ホームズ!!、ホームズ!!!!しっかりするんだ!!、ホームズ!! 」
聞こえているよ。そんなに怒鳴らなくても。
言ったつもりだったが、声にはならなかったし、口も動かなかった。
それでも目の前にいるこの「相棒」にして「親友」のこの男は気づいてくれたらしかった。
「 何?、ホームズ。 」
言うと耳を僕の口元に傾けてくれた。
「 ・・・・・・とても疲れたから、寝るよ・・・手当てはお任せするよ、ドクター・・・ 」
ようやっとかすれた声でそう告げると、ワトソンは僕の目を見ると微笑み、うなずいた。
僕はそれを確認すると、ゆっくり目を閉じて意識を手放した。
――――――ライヘンバッハの滝から一週間後の出来事である。
**あとがき*****
自分の欲望はこんな感じです(笑)実際滝には落ちてないんですよね?ホームズは。
一年も(でしたっけか)待てない・・・せめて、三日後か一週間後の復活がベストかな(-_-+
当初、ホームズの「帰りたい」は「逢いたい」でしたが、それだとともするとアブノーマル度に片足突っ込んでしまってノーマルカプ派の親友に見てもらえないんでは??!それは嫌だ!!、とゆーわけで「帰りたい」に訂正しました(笑)
ハドソンさんも、ポリーも心配してただろうしね♪あー、その辺のヴァージョンの話も書きたいかも♪ あ、犬ホームズ設定で思い浮かべて書いてますから、コレ。
欲望丸出し、原作完全無視暴走妄想バカですみません(-_-;
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