守ってくれてありがとう

帰ってきてくれてありがとう

生きていてくれてありがとう

いつも側に居てくれて

ありがとう

 

――――――――――――ありがとう

 

 

 

〜この手にもう一度24時間瞬ける星を・�検�

 

 

 

「 ああ・・・熱はもう引いたようだね。 」

「 ・・・ホームズ、・・・顔、近・・・ 」

あれから三日。幸いワトソンの刺し傷は急所から外れていた為、大事には至らなかった。ただ、出血と衰弱が激しかったので意識の混濁が二日ほど続いていたのも、未だにあまり喋ることができないのも事実だ。

現在もベッドで養生中なのでホームズが付きっきりで世話をしている。

「 いいから。それより何か食べられそうかい? 」

林檎でも剥こうか?との問いに、こっくりと肯定を示して頷くのを見て取ると、彼は器用に林檎の皮を剥き始めた。

その様子を、ワトソンは見るともなしに見る。

ショリショリショリ

ショリショリショリ

「 あ、そういえばワトソン、あの銃はどうして手に入れたんだい? 」

視線は林檎に向けたまま、ホームズがワトソンに尋ねる。

「 ・・・あの銃? 行きつけの、武器屋の主人にもらった、んだけど・・・? 」

何故そんなことを訊いてくるのか。小首を傾げ、護身用にと言われたと付け加えると、

「 護身用に、ねえ・・・ 」

ふーっと、溜め息を吐く彼を見て、どうかしたのかと尋ねるも曖昧な答えが返ってくるだけで話してはくれなかった。

ホームズの溜め息の理由は当然と言えば当然かもしれない。

実は武器屋の主人がワトソンに渡したあの銃は、世に言う立派な御禁制品だった。

超小型・軽量な上に弾がよく飛ぶため、遠・近どこからでもターゲットを始末できるという、暗殺目的で作られた銃器の中でもトップ・ファイブに名を連ねる代物だった。

彼を見つけたあの時、それだと気づいてホームズは慌ててそれをポケットに仕舞い込んで隠した。どうしようかと迷ったが結局それは今彼のベッド・サイドの小棚に置いてある。

まあ、おかげで助かったわけだし、ね・・・

お互いに、とワトソンに聞こえないように漏らし、ちらと彼を見遣る。

その視線に気づいて、ワトソンが何?と問うたが、何でもと言ってまた皮むきに専念した。

ショリショリショリ

ショリショリショリ

ショリショリショリ

ショリショリショ・・・

「 ・・・すまない、・・・・・・もう、しないから。 」

その謝罪の言葉は先ほどの問いとは違い、連続した音の中に低音でさらりと組み込まれたので、一瞬聞き逃してしまいそうになった。

「 ・・・え・・・・・・? 」

言われたワトソンも何のことか分からず、きょとんとしてしている。

「 ――あー、だから、その・・・ 」

こんなに言い淀むホームズは珍しいかもしれない。暫く視線を泳がせると、観念したように一呼吸置いて言った。

「 コカインを、だよ・・・ 」

「 あ・・・ 」

今回の事件の発端はそのことから始まったことと言ってもいい。それが無ければ、もしくはホームズがワトソンの忠告を聞いて彼を追い出しさえしなければ、こんなことにはならなかったかもしれない。

ワトソンは彼がそのことをとても気にしていることに気がついた。

「 それ・・・は、いい、けど・・・・・・ 」

じれったい。この気持ちは、すらすら伝えたいのに。

「 今回のは、ホームズのせいじゃない、よ・・・ 」

よろよろと力の入らない手を伸ばして、ホームズの袖をほんの少し掴む。

ホームズがワトソンの手を取る。その顔はとても驚いていて。

「 何故そう思うんだい。誰がどう見たって・・・ 」

「 ぼくも、・・・君の、気持ち、考えてなかった・・・かも、知れな・・・し、 」

握られた手が、ホームズの口元に持っていかれる。慈しむような行為に、くすぐったいよと漏らす。

「 ・・・ありがとう。 」

ホームズのその言葉は、照れたような微笑みで返された。

 

彼の剥いた林檎を食べようと起き上がったわたしは、ふと窓の外に目をやった。

窓の下にあったのは表通りの雑踏とは違う花と緑の空間―――そこはハドソン婦人がいつも手入れをしている小さな庭園、221Bの裏庭だった。事件も無いよく晴れた午後などにはホームズと二人でお茶などを楽しむところでもある。

林檎をしゃりしゃり食べながら、ぼーっと庭を眺めているとホームズが不思議そうに問いかけてきた。

「 ワトソン? 庭に何か気になるものでもあるのかい? 」

「 え? あ、ううん・・・ 」

慌てて頭を振って否定すると、ごちそうさまを言った。

その様子を見てホームズは、ふむ、と頷くと突然わたしを横抱きに抱え上げて部屋を出た。

「 ??! ホ、ムズ??! 」

驚いてホームズの首にしがみつくと、彼はわたしの顔を覗き込んで、

「 外に出たいのだろう、ワトソン? 」

にっこり微笑んだ。

「 あ、うん・・・でも、 」

「 大丈夫だよ。ここの庭の塀は高いから、外からはそう簡単には見えないよ。 」

核心を突いたホームズの言葉にわたしはうつむいて頬を赤らめ。

そんなわたしを見て、彼はクスクスと笑っていた。

階段下りて、ゆっくりと廊下を通り過ぎ、裏庭へ通じる扉をホームズがわたしを抱きかかえたまま器用に開ける。

「 わ、あ・・・ 」

色とりどりに咲き乱れる花に、思わず感嘆の声を漏らす。それは、暫く外の緑の木々や花に触れていなかったせいもあっただろう。

ホームズはわたしを庭に置いてある椅子にそっと下ろしてくれた。

そしてバラでできたアーチの方へ歩いて行くと、手ごろなバラを一輪手折ると再びこちらに戻ってきた。

「 お気に召しましたか、我が愛しのドクター? 」

彼はわたしの前に跪いて気障に一礼すると、力の無いわたしの手に先ほど手折ってきたバラの花を握らせた。

わたしはもう、あんまり恥ずかしくて言葉もなかったのだが。

彼はわたしの頬に手を添え、そのまま髪を髪を梳くような仕草を繰り返すと急に真面目な顔になって言った。

「 もう君を今回のような目には遭わせない――――約束する。 」

「 ・・・うん。 」

恥ずかしいやら嬉しいやらで、目に涙が滲んできてもう肯定しかできなくて。

それでも言いたいのは。

「 でも、ぼくも・・・もう今回みたいな思いは、君にさせないようにするよ・・・ 」

一瞬ホームズは目を見開いたが、すぐに柔らかい眼差しに戻って。

「 じゃあ、お互いに、約束だ。 」

「 うん。 」

互いに差し出した小指と小指をからめて約束する。

君を痛い目には遭わせない。

君に痛い思いはさせない。

あの日のようによく晴れた、この青い青い空の下で。

 

 

END

 

 

***あとがき*****

終りました・・・・てか、�靴泙任呂泙世泙箸癲福�)と言えたのに、なんで�犬任海鵑淵曠爛錺搬臻汁�してんのさ!!

何ホームズ、デコで熱測ってンのさ!!しかも前半はまだいいとして(そうか?)

後半!!何二人で花園で密約交わしてンのさーーーーーー!!

もう後半は趣味です、趣味!!!!

紳士で気障なホームズと、めっちゃめちゃに淑女(??!)なワトソンが書きたかっただけさ!!

ああそうさ!!!!どうせ後半の庭話は夜中に書いたんだーーーーーー!!!!!

・・・前半は昼間書いたんです(それでもカップリング色が濃厚ですけど・・・)

ああもういいさ、こんなあたいを笑うがいいさ!!!!

そして逃避。(コラ;)

あ、ちなみにこの話書いている間は通して平原綾香の「Jupiter」をBGMにしとりました〜♪

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