こんな静かな魔女の最期を、オレは他に知らない。

 

 

 

『毒を盛られた魔女』

 

 

 

ベッドに投げ出された肢体。

重力に逆らえない重みに皺を刻むシーツ。

 

紅く汚れた枕に沈み込むその横顔。

 

 

魔女だって万能じゃない

まして不老不死でもなければ

悪魔に身売りしたわけでもない。

 

飛び交うなんの関連性も無い噂/未知への恐怖が

 

この世で、おそらくは最後であろう魔女を葬り去ってしまった。

 

 

あ あ 、 館 の 外 か ら ざ わ め き が 聞 こ え る 。

 

 

愚かで無知な民草ども

罪を正義と勘違いして

本当に無実なものの命を奪う

 

 

(ああ、館の外からざわめきが。)

 

 

魔女は毒を飲んだか、

飲んで死んだか、

本当に死んだか、

実はまだ生きているのではないか

 

ああ、館の外で莫迦げたざわめきが聞こえる。

 

 

 

 

死んだよ。

 

 

 

 

死んでしまったんだ、魔女は。

魔女は死んでしまった。

 

紅い蝙蝠がキイキイとその死床で鳴いている。

惜しむように鳴いている。

ふいに蝙蝠の鳴き声が止んで、部屋の中に一陣の淡い風が吹いた。

 

石膏よりも白くなってしまった魔女の横顔に、そっとかざされる、手。

紅い髪。

紅い瞳。

爵位の正装に身を包み込んだ青年。

 

紅い蝙蝠の姿は、無い。

 

 

「一度で・・・一度でいいから、おまえの重みを感じてみたかったんだ・・・・」

 

重みを感じたくば死体を抱け

逆らわぬ重みを

されど。

 

 

「クッ・・・・・・!!」

腕にズシリと圧し掛かる重み。

知らず力の入る腕/張る筋肉

 

ぱたり

 

水球が魔女の胸元に落ち込み消えた。

 

 

 

「おまえってもっと軽いと思ってた・・・・・・・」

 

 

 

 

重みを感じたくば死体を抱け

逆らわぬ重みを

されど。

 

されど、それ愛しき重みゆえに重み増さん。

 

 

 

 

もう鼓動も聞こえない胸に顔を埋めて沈み込む。

一緒に沈んでいけたらどんなに倖せだろう?

 

ああ、あの莫迦げたざわめきをどうしてくれようか。

 

 

徐々に殺気を増してくる喧騒に関することなく

魔女の口元の紅を、男はただひたすら拭っていた。

 

 

END

* * *

書かないとか言いながら書いちゃったよ・・・!!
いえその・・・急にふっと思いついちゃったもので・・・;;;
やっぱバッドエンド★
すいませんすいませんすいませんんんんン!!!!;;;;;;
これでも良ければ貰ってやってくれるとありがたいで・・・・(ガタブル☆)

モドル