僕が、事務所の前の掃除をしていると、ふらっと近寄って来たその人は、

「随分丁寧に掃除してますね」

と、にこにこしながら、僕に話しかけてきた。

歳は、明智先生と同じくらいだろうか?先生も童顔で若く見えるが(そして、それを妙に気にしている)、

その人も、にこにこと優しく笑う顔だけ見ていれば、なんだか若くも見え、年齢不詳な人物だ。

服装は、明智先生がいつもスーツなのと逆に(昔は和装だったらしいが、少しでも童顔をごまかしたいらしい。

…そんなに気にしなくてもいいと思うんだけどな…)、襟垢まみれの皺苦茶和服に袴姿で、

身の丈は、明智先生はわりと背が高いのに対して、その人は小柄だった。

(…似ている所は、髪がくせ毛で細身なトコかな…)

ほんの数秒で、そんな事をつらつらと脳裏に巡らした後、

(どうも僕は、すぐ明智先生と他の人を比較しちゃうなぁ)

内心では苦笑しながら、

「僕は、明智先生の助手の小林と言います。

あなたが、明智先生の今日訪問される事になっているお客様ですか?

「あぁ、君が小林君ですか。

明智さんから、とても優秀な助手だと聞いてますよ。

だから、お客様が来ると聞いて掃除をしてたんでしょう、やっぱり優秀ですねぇ」

 

−それに、

 

「ほんの数秒で、私を細かく観察していたでしょう?

なかなか探偵の素質もありますよ」

僕は、気付かれていた事にも驚いたが、相手の方が、さらに細かく僕を観察していたであろう事実に、

「明智先生と同じお仕事の方なんですね」

「はい。

私は、金田一耕助と言います」

(この人がっ!!!)

明智先生と双璧と呼ばれる金田一先生だったとは…。

(…僕も、修業が足らないなぁ…)

明智先生がなんだか楽しそうにお客を待っていたので、てっきりお友達が訪ねて来るのだ、と推理していたのだから。

「せっかく綺麗にして出迎えていただいたのに、私は小綺麗じゃなくてすいませんね」

「いいえ、明智先生の大事なお客様が、そんな事を気になさらないで下さい。

さぁ、中へどうぞ。

飲み物を、すぐにお持ちします。

金田一先生、お待ちしておりました」

「先生、はなんだか恥ずかしいですよ」

 

−さん、ぐらいにしておいて下さい−

 

僕は、金田一さんを事務所の中に招き入れながら、明智先生と金田一さんの二人が揃ったのなら、

どんな会話をするのだろう?と、気になって仕方なかった。

 

 

 

→終

ロマンチックダメリストのみんさんから戴きましたーーー!!
わーいわーい!!(嬉々)この後の耕助と明智の様子もかなり気になります♪
どんな話するんだろう・・・。さらに20も乱入してきたらかなりカオスな会話になりそう(^^)
自分があまり二次に勤しめない時期だったので、始終ニヤニヤしながら読み返してたことを心からお詫び申し上げます(殴打)
みんさん素敵な作品をどうもありがとうございましたvvv

ブラウザバック!

10.09.03.from:みんてんみさん