さて、今日も元気にお仕事しましょう。

 

 

 

きょうは何の日?

 

 

 

  スタンリー・ホプキンズはいつも通り、スコットランド・ヤードへと出勤した。

 

「おはようごさいます」

 

  ヤードきっての高気圧BOYの爽やかな挨拶が通る。

 ばらばらと返事が返る中、ふとホプキンズは異変を感じた。

 

「…あれ?」

 

  捜査課の一角を見やって覚えた違和感。

 

  なんだろう、何かが足りないような。

 

  ごく普通のような気がするのだが。

 そこ、というのはグレグズンの机で。やけにすっきりしたその机に、ダルそうに寄り掛かった机の主人がいるのみで。

 

  ん?

 

  や  け に す っ き り し た ?

 

  書類御殿に書類が無い!?

 

 大事件だ!

 

  いささか失礼な感想を抱きつつ、ホプキンズはグレグズンの下へと近寄る。

 

「グレグズンさん」

「んー?ああ、おはよ。ホプキンズ」

 

  ひらひらと手を振りつつ、グレグズンが眠そうな顔で答えた。

 

「どうしたんですか?」

「何がー?」

「書類が無くなってませんか?」

 

  昨日、自分が帰るときまで確かにあった書類の山が無い。

 

『わー、またすごいですねー。グレグズンさん』

『んー?なんか溜まっちゃうんだよな』

『溜めてるんだろうっ!』

 

  横からレストレイドの叱責が飛んできた。

 

『ははは。明日も残ってたら、僕も手伝いますよー』

 

  お先に失礼しまーす。

 

  そんな会話を交わしたのは昨日の帰り掛け。

 

  結構な書類の量だったのになー?

 

  それを口にすれば、グレグズンが頬杖を付きながら言う。

 

「あの後、レストレイドが一緒に手伝ってくれたからー」

 

  欠伸をするグレグズン。

 

「そうなんですかー」

「ホープキンズッ!」

「うわぁっ!?」

 

  後ろからの突然の衝撃によろめくホプキンズ。

 

「ブラッド?」

「おはよー」

 

  ホプキンズに抱きついたまま、ひょいと顔を覗かせるブラッド。

 

「片付いてますねー、グレさん」

「片付けましたよー」

「相変わらず騒がしいな」

  呟いたのはピーター。

「うむ」

  同意するのはアルセニー。

  そんなわけで、こうしてヤードの一日が始まった。

 

 

 今日はなんだか色んな人と、色々なことが起きる。ホプキンズは思いながら首を傾げる。

 

  捜査で訪れたベーカー街では。

 

「ああ、そうだ。ハドソンさんがケーキを作ってくれたんだ。僕とワトソンじゃ食べきれなくてね。食べていってくれないか?」

 

  そう探偵閣下に促されて、三人でお茶をしたり。

 

  捜査中にふと現われたアルセニーが聞き込みを手伝ってくれたり。

 

  資料運びをピーターがついでにと持っていってくれたり。

 

 具合の悪そうなレストレイドを心配すると、なぜか頭を撫でられた。

 

  なんだか、皆親切だなぁと思いつつ日も沈んでから、ようやく捜査から帰ってきたホプキンズ。

 

「うわー、もう誰もいないかなぁ」

 

  とっぷり日も暮れた中、覗き込んだ捜査課の中にはやはり人影が無く。

  早く帰らないとな、と思いながらふと自分の机を見て。

 

  瞬きを一つ。

 

  見慣れない包装紙が四つ。

  几帳面に包装された長方形の箱。

  無造作に置かれた正方形の箱。

  綺麗な袋に入った何かと、リボンの巻き付いた万年筆。

 

  プレゼント?

  僕に??

 

  疑問符を浮かべながら、ふと見やるカレンダー。

 

  見覚えのある数字の羅列を眺めて、再び視線を机のうえに。

 

  控えめに置かれたカードには『HAPPY BIRTHDAY』の文字が踊っていた。

 

  誕生日だったんだ…。

  思いながら、今日一日を振り替える。

  つまり自分は気付かない内に、皆さんからお祝いをされていたわけで。

 

「ホープーキーンーズっ!」

 

「ブラッド!?」

「美味しいお店見つけたから、一緒に食べにいこー♪」

  自分を待っていたらしいブラッドに笑顔で誘われて、これもお祝いの一つなのだと悟ったホプキンズは笑顔で頷いた。

 

  さあっ、明日も仕事を頑張りましょう!

 

Happy Birthday YOUNG STAR!

 

end.

名無しさんからホプキンズ誕生日小説を頂きました・・・!!
携帯の方に直で贈られてきたので仕事が煮詰まってた水玉にはまさにオアシスの水でした。グッドタイミングありがとうございます名無しさん・・・!!
純粋にヤード勢から愛されまくってるホプにはこんな誕生日が似合いですよね♪
さてさて実はおまけも頂いてしまいまして!
ホプ誕生日前日のこの人たちはこんなことしてました、と。^^

 

〜おまけ〜

 

 八月二十日前日。

  帰っていったホプキンズの後ろ姿を見送って。

「おまえは明日もホプキンズに手伝わせる気かっ!」

「ん?明日?なんだっけ?」

「誕生日だろうっ、あいつの!」

「あー…、そういえば。なんかこの季節って、あいつにぴったりだよなー」

「普段、手伝ってもらってるんだから今日中に片付けるぞ。余計な面倒を掛けさ

せるな」

「はいはいー…って、あれ?手伝ってくれるの?」

「…お前一人じゃ終わらんだろう」

「それは嬉しいんだけど…。なんかレストレイドがそんなにホプキンズのために

頑張るのが、ちょっとジェラシー?」

「なっ、ばっ///」

「レストレイド。終わらせたら、頑張った分ご褒美ちょうだい?」

「〜〜っ、二時間以内に終わったらだぞっ!?(じゃないと、俺の体がもたんっ

!)」

「ん、わかった。二時間ね」

 

 二時間後。

「レストレイド〜、ご褒美ちょうだい?」

「っ、なっ!?なんで二時間で終わるんだっ?!」

「愛の力?」

「んなっ///!?」

「毎回ご褒美くれたら早く終わるけど」

「はぁっ!?(体が持たないっ!)」

「まぁ、今回はホプキンズの為でもあるしな」

「………そう、だな」

「…妬いた?」

「妬いてないっ!!」

「はいはい。まぁ、それはいいとして」

 ヒョイ。

「ご褒美貰います」

「ちょっ、待てっ、どこ触って…ッ」

「いただきます」

 

  翌日に寝不足のグレグズンと、ぐったりとしたレストレイドがいた理由。

 

 

〜おまけのおまけ〜

 

  八月二十日前日のベーカー街。

「ワトソン」

「なんだい、ホームズ」

「明日のケーキは、チョコと生クリームどっちが喜ぶだろうか」

  真剣な探偵の顔に、ワトソンは一つため息。

「ホームズ」

「なんだい」

「君がどんどん、孫を持つおじいちゃんに見えてきたよ」

「…なら、君はおばあちゃんかな」

  呆れたため息が漏れたのは、たっぷり一分後のことだった。

 

名無しさん、本当にいつもどうもありがとうございますv

ブラウザバックプリーズ!

07.08.26.from:通りすがりの名無し人さん