四月の狂騒曲〜後遺症〜

 

 

「グレグズンッ、ちょっと、待てっ!」

 

  帰宅早々、背後から抱き締められて服の中を乱れさす相手の手の動きを止めさせる。

 

「んー?なに?」

 

  耳に、直接吹き込まれた声に声を上ずりさせながら、レストレイドが言う。

 

「…お、多いっ!」

 

「…何が?」

 

  叫ぶと相手が首を傾げながら聞き返してきた。

  どうやら自覚が無いらしい相手に、向き直って言う。

 

「…昨日、何回した」

「えーと、四回?ヤードで一回、馬車ん中で一回、うち帰って二回」

「…一昨日は」

「五回」

 

平然と答えられる相手に、数えてるのかと顔を赤くさせながら、服の下をはい回ろうとする手を掴んで叫ぶ。

 

「〜〜〜っ、き、今日は!」

「これで六回目?」

 

  言いながらするりと拘束を逃れて、グレグズンの指が胸の辺りを探る。

 

「やっ…ぁ、っ……じゃなくて!」

 

「ん?」

 

  振り払って体の向きを変えると、そのままグレグズンを睨み付けるレストレイド。

 

「多い」

 

「…嫌なの?」

 

「…いや、では…なぃ、けど」

 

  多すぎる。

  モノには限度がある。

  大体、ここ最近の回数の多さは異常だ。

  体がもたない。

 

  そんな言葉が頭を駆け巡るが、じっと自分を見つめるライトグリーンの目に居たたまれなくなる。

 

「…おかしいぞ、最近の回数の多さは」

 

  それだけは告げると、相手は首を傾げたままレストレイドに手を伸ばす。

 

「んー…?」

 

  正面からレストレイドを抱き込んで、髪に顔を埋めながらグレグズンが呟く。

 

「なんでかなー…」

 

  心当たりが無いように呟く相手に、レストレイドも首を傾げた。

  そこでふと思い出す。

  一昨日の前の日はどうだった?

  

  一昨日の前日は、――四月一日だった。

 

「…グレグズン」

 

  一つの事実に思い当たって、抱き締める恋人の名前を呼んだ。

 

「んー…?」

 

「不安…、なの、か?」

 

  聞くと自分に回された腕に力が籠もる。

  次いで、小さな声。

 

「…そーかも」

 

  弱い肯定に、苦笑を洩らしてレストレイドがグレグズンの頭を引き寄せた。

 

「別れるなんて言わないから、安心しろ」

 

「…ん」

 

「俺はお前のだろう?」

 

「うん」

 

「…お前も、俺のだろう?」

 

  なら安心しろ。

  言うと、やはり肩口に顔を埋めてグレグズンが唸る。

 

  やはり頭でわかっても、簡単に感情は付いていかないかとため息を吐いて言う。

 

「…ベッド、行くか」

 

  恥ずかしさを堪えてそう言う。

 

「…へ?」

 

  今、なんて言ったレストレイド。

 

  間抜けな声で問い返されて、赤い顔をしながら相手の腕を掴んで寝室に歩きだす。

 

「…安心、させてやるから…。来い」

 

  きょとんとした顔のグレグズンを、寝室まで引っ張りこむといつもと逆にそのまま押し倒した。

 

 

「…っ、レストレイドッ」

 

「ん…っ、ふぁっ…あ、はぁっ」

 

  くちゅくちゅと淫らなに響く口淫の音。

  自分の下半身に顔を沈めているのが、レストレドということに夢のような気分になる。

 

「ふ…、っあ…んっ」

 

  唾液と先走りに塗れたそこを、白い手が這う。

  そそり立つ自身の先端に、唇が降ってきて吸い付かれる感覚と共に相手の唇の中にと飲み込まれていく。

  口の中の粘膜と、息遣いとはい回る指の動きがすべてダイレクトに伝わってきて、目眩がした。

 

「…っ、ちょっ、うまいから」

 

  呻くように呟くと、より一層強く先端を吸われた。

 

「…っ、出るか…ら、離せ…口」

 

  熱で潤んだようになった青灰色の瞳と、視線がかち合ってぞくりとする。

 

  そのまま目が伏せられて、歯先でやんわりと甘噛みされて強く吸われて。

 

  詰めていた呼吸と共に、自身を放つ。

 

「…っん、…ん」

 

  白い喉元が上下して唇が半透明な液体を引きながら離れた。

 

  濡れた青灰色に、薔薇色の肌。あがった息遣いで、グレグズンをみると再びレストレイドが、顔を埋めた。

 

「――っ」

 

  吸い残したものを、舌先で舐め取り出したレストレイドに、再び熱があがる。

 

「…レストレイド」

 

  呼び掛けると、小さく肩を跳ねさせてレストレイドが視線を合わす。

 

「っ、気持ち…よかった、か…?」

 

  真っ赤になりながら、訊ねるレストレイドに答えた。

 

「うん。けど――俺ばっかり気持ち良くなったから」

 

  言いながら、膝の上に乗っていたレストレイドを腰ごと引き寄せて。

  既に硬くなってきたそれと、回復しだした自分のそれを一緒に扱いた。

 

「ひゃぁ…っ?!」

 

「だから、今度は一緒に気持ち良くなろ?」

 

  囁きながら、上下に扱きだす。

 

「ふぇ…っ、あ…っ、ふぅ…」

 

 快感を滲ませた声で喘ぎだしたレストレイドの手を掴んで、導く。

 

「一緒に、しよ?」

 

  言って互いの指を絡めるように扱きだす。

  伝わるお互いのダイレクトな形に、ますます熱があがる。

 

「ふぁ…ああっ、や…はっ…好きっ…ぐれず…」

 

「ん…、俺も…っ」

 

  睦言を囁きながら、片手を後ろにあてがえば、

 朝から何度もグレグズンを受け入れたそこは、とうに解れてやすやすと指を飲み込んでいく。

 くちゅり、くちゅりとかき回すように水音を立てながらそこを触る。

  

「ふ…ぁあっ、や、ぁ…あんっ、ぐれ…ずっ、も…っ!」

 

  互いの先端を擦り合わせて、ぐちゅりと卑猥な音を立てる前を、白い指が扱いているのが背反的で。

 

  涙ながらに解放を訴える瞳に、喉が鳴った。

 

「…うん、一緒にイこ?」

 

  主導権を奪い去るように、今まで扱かせていた手ごと扱く。

  自分の意志ではなく、他人の意志で動く自分の手の動きに、堪らずレストレイドが喘いだ。

 

「や、ぁ、も…イク…っ、出る…ぅっ…」

「っ、俺も、…っ」

 

  二人ほとんど同時に、解放するとレストレイドは前かがみにグレグズンの胸に倒れこんだ。

 

  荒い息遣い。

  そして、レストレイドの後ろに回し込んだ指は、中に潜り込んで新しく快感を引き出している。

 

「…っ、はぁ」

 

  ぴくりと跳ねた体。

  指以外のものを欲しがって、ひくひくと何かを呼ぶように締め付けるそこをな

ぞっていたグレグズンに、とぎれとぎれにレストレイドが告げる。

 

「…っ、指っ、抜いて」

 

  ゆっくりと抜き出すと、レストレイドが既に勃ちあがった、グレグズンのそこに腰をあてがう。

 

「レストレイド、大丈夫か…?」

 

「んっ…、俺が、いれ、る…っ」

 

  腰をゆっくり沈めだすレストレイド。

  絡み付くような柔らかな内壁に包まれた先端から、快感が走り抜ける。

 

「…っ」

 

  ゆっくりと、結合部分が深くなるたびに快感も増していく。

  満たされていく感覚。

 

「…ぐれぐず…っ」

 

  最後まで腰を落としたレストレイドが、潤んだ声で名前を呼ぶ。

 

「ん…?どした…っ?」

 

  少し動く振動さえ、快感に変換されるのか。

  堪えるように眉を寄せて、言葉を紡ぎだす。

 

「こ…なことっ、俺がするのは…っぁ、お前、だけ…な、だから…っ、なっ?」

 

  真剣に紡がれる言葉に、視線を合わせる。

 

「今…っ、中に、いっ…ぱい…っ、はぁっ、お前が…いて…ッ、

 すっ…ごく!しあわせ…だっ、ぁ、…からっ!ぁっ、ああっ、やぁっ!」

 

  突然下から突き上げられて、喘ぐレストレイドにグレグズンが言う。

 

「俺も…、お前の中にいれてすごい幸せ…」

 

  どこか泣きそうな声のグレグズンの、顔をみたいと思ったがそれは頭を白くするほどの快感に遮られた。

 

「あぁっ、やぁあっ、ひゃ…っあ、めぇっ、奥まで、…っはぁ、ぐれぐ…っ!」

 

「レストレイド…ッ」

 

「あ、はぁ…、やぁ、んっ、っ…ぁあああああああっ!」

 

「――…っ」

 

  白い喉元を晒して、レストレイドの身体がしなった。

 

 

  翌日。

  仕事から帰って来て、そのまま抱き抱えられるレストレイド。

 

「…っ、こらっ!グレグズン」

「ダメ。…怠いんでしょ」

  昨日の所為でと付け加えれば、簡単に抵抗は止んだ。

 

「無理しないで休めばよかったのに」

 

「休んでられるか」

 

  らしいセリフに苦笑して、ベッドに座らせる。

 

「なぁ、レストレイド」

「どうした?」

 

  訊ねるとそのまま抱き締められた。

 

「ちょっ、今日は駄目だぞっ?」

 

  慌てた様子で止めるレストレイドに、大丈夫と呟く。

 

「…俺ね、昨日からすごい幸せ」

 

  思いかけないセリフに驚くレストレイド。

 

「愛して貰って安心した」

 

 その言葉に、レストレイドが赤面する。

 

「う…、その、あれは」

 

「レストレイド」

 

  覗き込まれる顔。

 

「キスしていい?」

 

  聞かれた言葉に、軽く目を閉じて顔をあげる。

  降ってくる唇の気配を感じながら、キス以上になってもいいかなと思いながらレストレイドは吐息を絡ませた。

 

  ベッドが軋みながら二人をシーツで迎えるまで、後数分――。

 

 

 END

 * * *

 そ し て !!
 よもや後日談(エロ)をいただけるとは・・・・!!
 ふおおおおおおお感謝です、感謝です名無しさん・・・・!!!(感涙)
 レスさんが積極的ですよ!!レスさんが、レスさんが
 レ ス さ ん が ! !(しつこい)
 グレさんこいつは幸せもんだぁ!!あーもーなんですかこの二人!!
 甘々ですか!!そうですか!!
 名無しさんどうもありがとうございましたーーーッ!!!!

 ブラウザバックプリーズ!

 07.04.19.from:名無しさま