M e p r i s e ・ bitter
「空が青い・・。」
「え?」
「いや・・。」
小さな窓から覗く 『青』 に、ルブランは静かに息を吐いた。
「早く・・帰りたいな・・。」
「そうだね。」
ここは白いからイヤだ、と呟くと、彼は僅かに目を瞬かせ、じゃあ外に散歩に連れて行ってあげようか、と言ってくれた。
その申し出はとても嬉しかったのだけど・・。
でも、そういうことじゃないからと、断った。
それに、彼を探し呼ぶ、あの青年の声が扉の向こうから聞こえてくる。
彼もそれに気付いて、
「ああ、今日はあいつの退院日なんだ。」
と教えてくれた。
良かったな、と言うと、彼は嬉しそうに微笑んで。
「きみのときも、迎えにくる。」
と言ってくれた。
一人で帰れる、と言おうとして、少し考えた。
「・・・家で待ってる。 好きなときに来るといい。」
そう告げたら、彼はちょっと切なそうな顔をして、
「迎えに来るよ。」
と再び言った。
「早く、行ってやるといい。」
遠ざかる青年の声に、慌ててそう言うと。
「モーリス・・」
「?」
見上げれば、彼の唇が、自分のそれに舞い落ちてきた。
「また来る。」
そう言って背を向けた彼の袖を・・・。
結局掴むことは出来なくて。
伸ばしかけた手を、そのまま ぎゅ と握りしめた。
部屋で一人、窓に目を向ければ。
それでも空は、鮮やかな青で・・。
空が青い。
今は、それだけで満足だ。
END
* * *
すぐりさん宅でキリ番(ハートの)7を踏んでいただきました!
うはーい拙宅のルパンとルブランで切なく甘くでお願いしたらこんな素敵小説を贈って下さいましたー!!!vvv
こちらはビターテイスト。きゅーん。切ないテイストが大好きですvvv
けっこう軽い気持ちでリクエストしたんですが(←オイ)こんなに大容量のものをいただけるなんて思ってもみませんでした・・・!!
すぐりさんどうもありがとうございましたーーー!!!!
07.02.07.from:すぐりさん