記憶のカケラ〜腕の中〜
「グレグズン…?」
「ん〜?」
戸惑ったような声をあげるレストレイドを、背後から抱き込んで首筋に顔を埋めたままグレグズンが聞く。
「どした?」
「…いつまでこうしてるんだ?」
「もう少し」
「………」
病院から家に帰って約一時間。ずっと繰り返されるこのやりとり。
帰宅早々ベッドの上に置かれたと思えば、背後から抱き締められて。そしてこの状態を維持し続けている。
「グレグズン?」
「ん〜?」
「…いい加減に放して欲しいん「ダメ」」
迷い無く即答。レストレイドが溜め息を吐いた。
「なんでこんなに今日は…」
呟けばグレグズンが首筋に顔を埋めた態勢のまま言った。
「補充」
「は?」
「補充中」
だからダメ。
「補充って…」
何を?
その問い掛けに、グレグズンが臆面も無く答えた。
「レストレイドを」
言っている意味を理解しようと考えること数秒。考えるレストレイドを後ろから抱き込んで、グレグズンが喉の奥で笑った。
「だから」
笑いながら、耳に直接吹き込むように言葉が注がれた。
「俺、今病気なの」
「っ!?」
驚いて振り向こうとすると、そのまま体を押し止められてグレグズンの顔を見ることはできなかった。
「なっ…、ちょっ…病気ってなん…」
腕の中で慌てふためくレストレイド。
「大丈夫だから、落ち着けって」
笑いとともに降ってきた声に、レストレイドがグレグズンを上目遣いに見上げた。
「…?」
「俺の病気なんだかわかる?」
フルフルと首を振る。グレグズンが口の端をあげて耳元で囁いた。
「レストレイド依存症」
「は…」
だから、と笑みを含んだ声が言う。
「おクスリ(レストレイド)補充中」
言葉の意味を理解したらしく、一瞬の沈黙に続いてレストレイドの顔が一気に朱に染まった。
「な…ばっ……」
口から言葉が出てこない様子の恋人をライトグリーンの瞳で楽しげに眺めて、グレグズンが言う。
「だってここしばらく触って無かったし。挙げ句に忘れられるし」
言いながら更に顔を首筋に埋めて、だから補充中とグレグズンが繰り返す。
「あと少しで禁断症状でるかと思ったし」
「…俺は麻薬か」
グレグズンの臆面のないセリフに顔を赤くしたまま、呆れたようにレストレイドが言う。
「そーかも。一番上等で依存症高いやつね」
言いながら、首筋に口付けを一つ。
唇を放すと、そこに付いたのは赤い痕。
「だから中毒患者におクスリ貰える?」
聞くとしばらくの沈黙の後に、腕の中で姿勢を強引に変えて
グレグズンと向き合ったレストレイドが上目遣いに見据えて首の後ろに手をかけた。
そのまま、珍しく相手からのキス。
目を細めながら触れるだけの、優しい口付けを味わっているとチュッと音を立てて唇が離れた。
「俺には――」
自分からキスした羞恥か、それとも別の理由かで顔を赤く染めたレストレイドが言う。
「俺には、お前のほうが麻薬みたいだ」
その言葉と共に顔を伏せてしまったレストレイドを、自分の膝の上に乗せると少し意地悪く微笑んで訊ねる。
「さっきのだけで足りた?」
俺のコト。
その問い掛けに、レストレイドがグレグズンを睨むように潤んだ目で見上げると、噛み付くように口付けた。
余裕のありそうにそれを受け止めて、レストレイドの顎を捉えたグレグズンが更に深い口付けを一つ。
*****
「…ひゃッぁ……ふぁっ……!グレグズ…ッン…っぁ」
グレグズンの膝の上に跨ぐように乗せられたまま。
キスの狭間から漏れるのは、甘い嬌声と名前を呼ぶ声。
辛うじて引っ掛けているだけの腕に纏っているシャツや、ずり下げられたズボンが扇情的ですらある。
それに仕立てた本人は、なおもキスを仕掛けたまま器用にレストレイドの体の弱いところに指を滑らす。
「っ…あ……ゃぁ…ッめ」
息も絶え絶えなキスの合間にレストレイドが快感に震える声でグレグズンに言う。
「俺…ばっかり…やぁッ…脱ぐの…ッ」
その言葉にグレグズンがキスを中断して聞いた。
「何で?」
「は…ずかし…っ…」
愛撫とキスで溶けた瞳を見せながら言うレストレイドに、グレグズンがキスを降らせながら言った。
「じゃあ、レストレイドが脱がせて?」
悪戯にそう言いながらも、グレグズンの手の動きは一向に止まる気配はない。
敏感な部分を焦らすように触る手の動きに、レストレイドの呼吸があがる。
「…っはぁ……」
ゆるりとレストレイドがグレグズンの首に回していた手を外すと、覚束ない手つきでボタンを外し始めた。
その様子を視界の端に収めながらグレグズンが首筋に舌を這わせて、レストレイド自身に指を絡める。
「ひぁ…ッ…」
身体をビクリと震わせてシャツを強く握り締めたレストレイドに耳元で意地悪く囁く。
「手、止まってる?」
言えば零れそうな程、目の端に涙を溜めた青灰色の瞳が見上げてくる。
瞼にキスを落としながら指でなぞると身体を快感に震わせながら、必死に指を動かしてボタンとベルトを外していく。
肌蹴たグレグズンの前。たどたどしい手つきでベルトを外して羞恥と快感がない混ぜで朱に染まった肌と、泣きそうな瞳をしたレストレイド。
「よくできマシタ」
そう言って首筋に噛み付くように口付けて、レストレイド自身に絡めていた指で先端をひっかくように擦った。
「ひぁッ…!?」
ビクリとレストレイドの身体が仰け反るように跳ねて白い華が咲く。
そのままぐったりとグレグズンの胸に頭を預けたレストレイドの頭を片手で撫でながら、白く濡れた片手をレストレイドの背後に滑らす。
「…っぁ……」
クチュと艶っぽい濡れた音が響く。
「レストレイド」
名前を呼ぶ声と共についばむような口付けが降ってきた。
「…っ…ふぁ…」
後ろからの刺激と前を悪戯に掠めていく指の動き。
「レストレイド」
何度も名前を呼びながら繰り返されるキスと、確かめるような指の動きに違和感を覚えて。
涙の溜まった視界でグレグズンの顔を捉えた。
迷子のような。
泣きそうな顔。
その顔を見て、どうしてグレグズンが今日はキスをこんなに仕掛けて来るのかわかった気がした。
「…っグレ…ズン…ッ」
必死に名前を、呼んだ。
「ん?」
「だ……いだから…ッ」
あがる息を押さえ込みながら言った。
「も……忘れない…からっ…だから…っ」
心配しなくても大丈夫。
ライトグリーンの目が細められて。口元が一瞬無防備に歪んだ。そして耳元で一言。
「…アンガト」
言葉の後に、クチュリと濡れた音と共に背中を快感が駆け抜けた。
「やぁあああっ!」
目の前が白くなりそうな刺激。痛いほどに張り詰めた前を指で擦りながらグレグズンが言う。
「イっていいよ?」
その言葉に必死に首を振ってレストレイドがグレグズンの腕を掴んだ。
「ひと…り…いゃ…ぁっ…一…っ緒がいぃ…っ」
ぼろぼろと涙を落としながらそう訴えるレストレイドに、グレグズンが口元で笑った。
「…しっかり掴まってろよ?」
囁きながら膝の上に乗せられていた腰を浮かせられる。
「腰落として」
「……ん…っ」
熱いものがゆっくりと、押しあてられる。
「ふぁ…ん、あぁ…ッ!ゃぁだっ、グレ…ズンッ」
入り口付近で浅い挿入を繰り返して、立ち膝のまま固定された態勢で、
喘ぎ声を堪えるようにレストレイドがグレグズンの背中に回した手に力を込めた。
「も…い、から…っきて…!」
「…限界?」
こくこくと頷いて、レストレイドが顔をグレグズンの首元に埋めた。
「いくぞ?」
低い声で囁くと一気に下から突き上げるように入り込んだ。
「ひ、ああああっ!や、ぁはッ…」
「…ッは、レストレイド…っ」
名前を呼ばれて、顔をあげれば唇が降ってきた。深く溶けるようにキスを交わす。
「グレグズ…ッ、も、だ…め…っぇでる…」
入り込んだグレグズンのソレを無意識にきゅっと締め付けながら、レストレイドが喘いだ。
「だめ?」
キスを仕掛けながら聞くとレストレイドが快感で震える声で囁くように言う。
「…っめぇ……っ、イく…、でる…ッ」
「ん…、わかった…ッ」
一緒にね?
言いながら、更に奥を強く突き上げた。
「ふ、ゃあああああぁッ!」
連動するように更に締め付けを強くして、レストレイドがすでに限界だった己を解放した。
「……っ」
それと同時に、グレグズンもレストレイドの中に精を吐き出した。
*****
「大丈夫か?」
腕の中でぐったりと身体を預けるレストレイドに、グレグズンが尋ねた。
「ん……」
小さく頷くとレストレイドが呟くように言った。
「…忘れて、ごめん」
「ん、もういいよ」
「…ん、けど…」
「何?」
レストレイドがグレグズンの胸に頭を預けて呟く。
「……思い出せて良かった…」
グレグズンの腕の中が一番安心するから。
可愛いセリフを呟く恋人の額にキスを落として、グレグズンが囁いた。
「俺もお前が腕の中にいるのが一番落ち着く」
腕の中の恋人は小さく微笑むと、唇に自分からの口付けを施してくれた。
腕の中に抱く人、抱かれる人。
お互いが甘い依存症。
クスリ(恋人)の不足と過剰摂取にはどうか十分ご注意を申し上げます。
END
* * *
クッ・・・!!誰かテイッシュ・・・・!!!(鼻血鼻血)
毎度ありがとうございます名無しさん・・・ッグッジョブです・・・ッ(グッ!)
管理人自体が汚れてるのでいくらでも汚してあげちゃってください!(オイ!)
もうアンタら朝までヤったらどうですか!次の日仕事休んじまえよ!!(落ち着け)
むしろ過剰摂取してるだろお前ら!(そこ言っちゃイケナイ☆)
名無しさんの書かれるグレは攻め的に強いので大好きです・・・(水仙が書くとヘタレになるので)
素敵文をどうもありがとうございましたーッ!!!!
ブラウザバックプリーズ!
06.09.15.from:通りすがりの名無し人さん