再生しかできない不出来な僕

 

 

 

「ごめんね・・・・」

僕は君を『再生』することしかできない

時間を巻き戻して

何度も何度も『再生』するんだ

君がまだ『生きていた時間』から

時間を止められたら。

何度そう思ったことだろう

何度そうしようとしたことだろう

そうすれば、僕も君も永遠になれるけど。

時間を止めたら僕も止まってしまうから、目の前にいても君を認識できない。

君も僕を認識できない。

そんなのは、厭だ。

 

だから僕は再生を繰り返す

 

繰り返し繰り返し───

君が死んだ瞬間から巻き戻して。

 

君が死ぬ。

ナイフで刻まれて、引き裂かれて、切り刻まれて、

君が死ぬ。

大量の血を流して、目をぱーっと見開いて、

ビクビクと、衝撃に痙攣を引き起こして。

ねぇ、まだ死なないでよ。

 

「あ・・・かぱっ・・・フ、や・・・も、ヤダ・・・・・・・」

ぐでぐでになって横たわる体をそっと抱き起こす。

君は僕を見て、イヤイヤをするようにカクカクと首を振る。

「ごめんね・・・僕はまだ君と一緒に生きていたいんだよ」

君の額にそっと手をあてがう。

いよいよ君はイヤイヤと首を振る。

「も・・・や、ダ・・・・もお、死なセっ・・・・」

「そんなこと言わないでよ・・・死んだら何にもならないよ・・・・」

悲しげな顔で僕は君にそう告げる。

彼の人の時間よ・・・・・

「ヤッ、やぁああアあああ!!!」

死ぬと決まっている生を何十回、何百回と繰り返す。

死んだら何もならないというならば、それこそ何もならないものではないのか。

──巻き戻れ、生在りし頃に───

再生される人間の苦渋の声が彼の耳に届くことは無かった。

 

 

巻き戻し、再生し。

平穏な日々を過ごして生きる

そして時間は早送りのごとくスピードで過ぎ去り

 

「ヒ、い・や・・・・」

煌めくナイフ

「おねがッ・・・・殺さないで・・・・」

弧を描きカーブした唇

「おねがい!おねが」

舞い散る肉と血

「ねぇ、何が怖いの・・・・?」

切り刻まれて痙攣に引きつる体

「何もかも、これからまた始まるんじゃない」

抱き起こす死体

「大丈夫、僕がまた再生してあげるから」

 

そしてまたやって来る、再生の日々。

 

 

END

****************************************************************

突発的に思いついてダーッと打ってみた。
ある種これはリパーとかホームズにもブラックネタで当てはまりそう・・・^^;
再生しかできないっつーのは、死んだその以降を続けていけない・・・つまり録画は無理っていう意味でね^^;
録画ができれば、苦痛なく生かすことも可能だったんだろうけど、至らずこんなことに(爆)

****************************************************************

モドル