ひとりぼっちの いくさびと≪闘人≫

戦に軍として赴くも

漂々・気まぐれ・言うこときかないの三拍子

仲間が敵陣に突撃していくなか

彼はひとり 新緑生い茂る木のうえ幹のうえ

ほくそ笑んで 今日も銃撃戦の音響く市街地を見つめてる

 

 

 

ひとりぼっちの いくさびと≪闘人≫

埃まみれで帰ってきた味方

人数は多かれ少なかれ減っている

いつのまにか寝ていたようで いくさびと≪闘人≫

『引き上げる』と云われて

ぞろぞろと疲れきった隊が背をむけて歩いてゆく

「オレ、確認係だから」

もちろんウソ そんなものあってもなくても一緒

バネのように跳び下りて、市街地に足をむける

ひとりぼっちの いくさびと≪闘人≫

 

 

 

だあれもいない

だあれもいない

灰っぽい、埃っぽい煙がこちらからあちらへと立ち昇る

 

 

『廃墟』

 

 

かくれんぼしよう

鬼のいないかくれんぼを

 

 

「もぉーう いぃーよぉーーー」

 

 

だれもでてこない

だれもでてこない

 

 

鬼は いないのに

 

 

 

だれもいないということはない

オレがいるから

 

「うぅ・・・・・」

呻き声

ズルズルと這い出てきたのは 同じ隊の兵士

腰から下が ない

「・・・・た、たすけてくれぇ〜〜〜・・・・」

ほくそ笑む ひとりぼっちのいくさびと≪闘人≫

痙攣するその手が袖に触れる瞬間

 

 

バーン

 

 

とてもウソくさい音があたりに響いた

 

 

 

けっきょく 民間人はひとりも生き残っちゃいなかった

みんな地下に潜り込んで

でも 脆い日干し煉瓦じゃ防ぎようもない

潰れて死んでいた

 

 不意にかかる、徴集音

 

 やれやれ

呆れたような溜め息

・・・・今日行くところは木がねぇなあ

何処で寝てようか もともと参戦する気もない

かといって見知らぬ外国人に情をかけてやるほどの慈悲も持ち合わせちゃいない

人種が同じでもそれは変わらないだろうが

要するに、馬鹿馬鹿しいのだ

これに勝って 『オレたちが』得するわけじゃない

勝てば何か変わるというわけでもない

変わったとしても、所詮『オレたち』にはそれがなんなのか直接的に解ることはない

 

 

それが解ってるから

そう 解っているから

 

 

オレは今日もひとりで いくさ≪闘≫だ

 

 

 

ひとりぼっちの いくさびと≪闘人≫

今日もひとり

ほくそ笑みながら 銃撃戦に埃舞う戦地を見遣る

 

 

 

 

そう せめて

せめて ほくそ笑みながら

無知で愚かで必要の無い死を見つめてる

 

彼は ≪闘う≫人

 

 

END

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はっきりいって馬鹿馬鹿しい。

だからといって人様に命をくれてやるほどの慈悲も無いから。

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