ながいながい夜に吹く風は
かなしさと淋しさと
締めつけられるような切なさで満ちている
シク・シク・シク
シク・シク・シク
・・・どうして起こしてしまうの
どうして起こしてしまうの
どうして
どうして
どうして
どうして
ドウシテ?
まだ風は───・・・・吹いているのに─────
うう───
* * *
ズボリと土から突き出た手が
天に向かって手を伸ばす
求めるように
願い請うように
深夜・暗闇
ま白き墓石が月明かりに輝いて美しいのに
胸が締めつけられるような想いに駆られてなんだかすごく切ないの。
ガバリと土を押し上げる。白い墓石は傾ぶいて。
『こんな夜は、こんな月夜は悲しいわね』
眉をひそめて、そう言った。せつないの、と。
ふうぅ・・・・と溜め息を吐く。長い長い髪はその表情を覆い隠すも、なぜか表情など無いのだと知れる。
溜め息はそのまま風となり、夜風となって世界を駆け巡る。
ここはまだ夜明け前。
何処にも太陽が顔を出す気配は無い。
早く空が白んで来ればいいのに
でも、ずっとこのまま、明けなければいいのに。
生者は陽/死者は陰
昼は生きて/夜は潜み
太陽こそが勝者/月はただ謳うだけ
シク・シク・シク
シク・シク・シク
・・・・・どうして?夜。
流れて風が かなしくセレナーデ
窓の下・月の下
謳い 続けるの
・・・・・・・わたしは
わたしは
わたしは
わたしは
・・・・・・・あぁ・・・・・・・・
顔を覆い/伏して
するりと衣擦れの音だけが優しい
まだ風は吹いているのに・・・・・─────
END
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夜ってかなしくないですか。気づかないですか?そうですか。
それはあなたが、夜に窓を開けたことが無いからです。
明るい部屋にいては気づきませんよ。
あのせつなさ、言いようの無い。胸を締めつけ、涙滲ませるように。
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