雑踏の中
足を踏み入れた
みず たまり
このまま沈んでいってしまっても、きっと誰も気づかないのよ。
並んで傘を差し 歩きながら
きみはそう言った
よわよわしく降る
降り続ける、雨。
これだけあるんだもの、ひとつくらい、底の無いものがあるわよ。
底のない水たまり
そうかもね。
沈んだそこから、真上の雑踏を眺めるの。壮大じゃない。
見上げて移るのは曇天の空ではなく靴底
スカートだったらパンツも丸見えだね。
エロスケ!!
おもいきり、罵声を喰らった。
雑踏の中
足を踏み入れた
みず たまり
ああ、妙に生温かいんだな
ああ、全然息苦しくない
この分ならしばらく溺死は免れそうだ
でも焦りも恐怖も、抜け出す気力すら湧いてこない。
あたりを見渡せばあちらでも、またこちらでもずぶずぶと沈む人、ひと。
ひとつどころではなく、どうやら底の無い水たまりは沢山あったらしい
ああ、彼女の言ったとおり真上の雑踏が見える。
その擦り減った靴底が可笑しい。
ちょっと遠いのか、パンツまでは見えないチクショウ。
というか、どんどん沈んでいくもんだから肝心の雑踏でさえ、ただ点滅するだけの水玉模様にしか見えなくなってきた。
きっと彼女であろう靴底、点滅する水玉模様を目で追う。
このまま沈んでいってしまっても、きっと誰も気づかないのよ。
そう言ったきみでさえ、ぼくの沈下には気づかない。
END
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最初はGalleryに載せる詩を打とうとしてたんですが・・・・;
対話のところあたりからだんだん路線がズレてって、小話調に^^;
見ればお題にそれらしいのがあったので、当てはめてみましたーたはは;;
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