ただでさえ日々危険なことに首を突っ込んでいる彼なのだ。
要らぬ世話などかけたくない
そう、思うのに。
どうやら私の体内には爆弾が仕掛けられてしまったらしい。
さっき診察室の前を通りかかったとき、激昂するルパンと私の手術を担当した医者との会話を聞いてしまった。
医者は私に仕掛けた爆弾解除と引き換えに、ルパンに仕事を依頼したいらしい。
期限は一週間で、それまでに仕事を済ませてほしい、と。
だが爆弾を取り除くためにもう一度切開する必要があるだろうから、そう余裕もないだろう。
必要な情報だけ聞くと、すぐさま病室へと引き返した。
自分の体に爆弾が仕掛けられたこと
それをネタに医者がルパンに条件を出してきたこと
期限は一週間──つまり一週間後には体内の爆弾が起動して。
死んでしまうということ
それだけ分かればあとはもう十分だった。
病室に戻ると付き添っていてくれていたルパンの部下、ファンフェイがいた。
「あ!ルブランさん!」
「・・・・・・」
こちらを見上げ、パッと破顔する。
ちいさなちいさな、チャイナ服がよく似合う女の子。
あんまり出歩いちゃ体に悪いですよぅ、手術したばっかりなのに。
そう言ってベッドに横になるよう促される。
自分に必要な情報をすべて得てしまったいま、ここにいる理由などどこにも無かった。
「・・・・・・なにか・・・・飲み物」
きょとんと眼を瞠らせて、ファンフェイが小首を傾げる。
「飲み物ですか?」
そこでファンフェイは病室の水差しがカラッポになっていたことを思い出した。
「あッ!そーか・・・じゃ、ちょっとお水補充してきますねっ」
水差しを頭の上で抱え、テテテテテと走っていく。
「ファンフェイ」
「?」
入り口のところで呼び止められてファンフェイがこちらを振り返った。
なんですか?とまた小首を傾げる。
「・・・・・・・・」
結局なにを言うでもなく沈黙だけが続き、すぐ戻ってきまーす♪と明るい声を残して小さな影は病室から出て行った。
廊下からは、しばらくちりりんと鈴の音が聞こえていたが、それもやがて消え失せた。
彼女が居なくなったことを確認すると、すぐさま服を着替え、身の回りの荷物を整理して必要最低限のものを持った。
そして部屋を出ようとして、ふと。
ちょっと考えてベッドまで戻って思いついたことを済ませてしまうと、今度こそ一度も後ろを振り返ることなく病室を後にした。
ルブランがいなくなった。
ファンフェイの悲鳴のようなそんな知らせに、周囲になど目もくれず院内を疾走した。
「モーリスッ!!」
バンッ、と音を立てて病室の扉を開けるもそこに彼の友人の姿は無く。
彼が寝ていたベッドに歩み寄る。
整然と整えられたベッドの上にあるものを見つけて、愕然となる。
二枚に引き散切られたハートの7。
「 あの莫迦・・・・・・ 」
溜め息のような呆けた声が口から漏れて宙空へと舞い消えた。
頭から血の気が引いて行くのがわかった。
友人は知ったのだ
己の置かれた立場と境遇を。
他人への気遣いは忘れないくせに自分のことにはかけらの執着心も見せない彼。
そんな彼がいまの己の状況を悟ったとしたら───
きっと取る行動は一つ。
「・・・・・・!!」
バターン!!
大きな音を立ててルパンは病室を飛び出していった。
誰も居なくなった病室の窓からは穏やかな風が入り込み、いつまでもカーテンを揺らして遊んでいた。
END OR NEXT・・・?
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とうとうやっちまいました!!ルブラン爆破ネタ!!(正確にはHA・RE・TUネタ★)
以前チャットでポロッと出たHARETUネタを使って水仙が大暴走しました(おい;)
漫画に描きたいんですが、まずは小説でさらりと冒頭部分を。
イラストでHARETUしちゃったルブラン描きたいとか思ってるオレは相当ヤヴァイです;;;
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